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表計算「作った本人が退職」会社で起きる大混乱 自己診断できる、デジタル化レベルチェックも

東洋経済オンライン / 2024年2月8日 12時20分

会社で起きる表計算ソフトを巡るさまざまな問題とは?(写真:taa / PIXTA)

「デジタル化できない企業経営者の困りごと、悩みごとで最も多いのは“どうすればよいのか、まったくわからない”という漠然としたものです」――。そう語るのは、数多くの中堅・中小企業のデジタル化に携わってきたベルケンシステムズ代表・鈴木純二氏。多額の費用をかけてシステムを導入したにも関わらず、「使えない」状況に陥るのはなぜなのか?鈴木氏が上梓した『アナログな会社を劇的に変える 中小企業のための会社を正しくデジタル化する方法』を一部抜粋・再構成し、 どこの会社でも導入している「表計算ソフト」を例に解説します。

長い間、「日本企業は生産性が低い。その原因はデジタル化が遅れているからだ」と国内外から言われ続けてきました。

【図表】会社のデジタル化は進んでいる?簡単自己診断チェック

40年近くもの間、コンピュータをはじめとするデジタルの世界に身をおいてきた私にとって、このように揶揄される状況であることは非常に心苦しく、じくじたる思いです。

デジタル化の初期にありがちな思い込み

どうして日本はデジタル後進国になったのか?

特に中小企業の経営の現場には、デジタル化を阻むどのようなハードルがあるのか?

多くの経営現場を見てきた私が思う最大のハードルは、デジタル人材の不足だけではなく、デジタル化特有の「買い方」と「進め方」に対する社長の理解不足、あるいは見当違いです。

また、こうした理解不足が原因で、多くの社長が過去にデジタル化にチャレンジして手痛い失敗を経験しているのです。

ここでは、デジタル化の初期段階にありがちな思いこみについてお話ししましょう。

デジタル化の初期段階とは、電卓仕事からパソコンを使った仕事に切り替わった段階です。

「会社に1つ以上のメールアドレスがあり、ホームページも業者に作ってもらった。簡単な計算は表計算ソフトでやっている。パソコンはネットワークに接続されており、ファイルやプリンターの共有ができている」といった状態をイメージしてください。

しかし、「あいかわらず取引先からの注文は紙やファックスで送られてきて、社内処理も社内伝票など紙での運用が多く残っている」といった状態でもあります。

ここから一歩抜け出し、何らかの業務システムが導入されていたとしても、データ入力など人の手によって処理する業務が多い場合は、初期段階といえるでしょう。

さて、このレベルの会社では多くの場合、表計算ソフトが多用されています。その中身を拝見すると、むずかしい関数や、ときにはマクロ(※表計算ソフト上で決まった操作を登録し、ワンタッチで実行できる機能)まで組まれているケースが多くあります。

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