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異様に眠れる人気ビジホ・スーパーホテルの実態 月額200万円のクレーム保証で顧客の声を聞く

東洋経済オンライン / 2024年2月8日 12時10分

まずは、いわゆる「そば殻枕」に近い、パイプ入りの硬め枕。次に、香りのいいヒノキチップ入りの低反発枕。そして、ポリエステルのふわふわ枕。首のカーブにフィットする山型タイプの低反発枕は、高め・普通・かなり低めと3段階の高さで用意されている。そのほか、低反発のやわらかめ枕と、もっちりふわふわな女性専用枕がある。

「女性専用枕は女性のお客様からのご要望を受けて、オーダーメイドの枕ショップ『じぶんまくら』さんと共同開発したものです。首にフィットする形状と、肩から首全体をふんわり包み込む感触が魅力です。私自身、包まれて幸せになれるので、“姫心地気分”と呼んでいます」(星山氏)

女性に人気の枕はこれに次いで、ポリエステル入りのふわふわ枕、低反発枕の低めタイプの順番。高めの枕は苦手な人が多く、また、「首の角度が鋭角になることで、シワができるのが気になる」という理由から、低めを選ぶ傾向があるそうだ。一方、男性に人気なのは、硬めのパイプ枕と、ヒノキチップ入り低反発。さらに、高めの低反発タイプだ。

スーパーホテルが選べる枕サービスをスタートしたのは2004年のこと。

理由について星山氏は、「『安全・清潔・ぐっすり眠れる』は当ホテルの創業時のコンセプトです。夜ゆっくり眠れないと、次の日の仕事や観光に差し支えます。さらに、ホテル滞在時間の7、8割は睡眠時間ですから、その満足度が高ければ、顧客満足度も高まるという狙いもありました。だったら、予算上広い客室や豪華な設備は造れなくても、寝具にはこだわろうと決めたのです」と語る。

その一環として、枕もさまざまな高さや硬さを試したが、最終的に、「枕は人それぞれに好みが違う」という結論に至ったそうだ。「私達が『これが最高』と思っても、人によっては合わないとクレームが上がってきました。それなら、自分に合った枕を選んでもらったらいいんじゃないかと」。

枕だけじゃない! 快眠への徹底アプローチ

眠りへのこだわりは枕だけにとどまらない。2004年には、ゲストが「ぐっすり」眠ることができ、翌朝には「すっきり」万全の体調で1日をスタートできる眠りを目標に、「ぐっすり研究所」を社内に立ち上げた。大阪府立大学名誉教授 清水教永氏と共同で眠りの検証実験を行い、さまざまな角度から快眠へのアプローチにつなげている。

例えば、マットレスは有名寝具メーカーと共にオリジナル開発したものだ。耐圧が分散しやすく、寝返りが打ちやすいコイル式の高反発タイプ。こちらも購入希望者が多いため、ECサイトで販売している。

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