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異様に眠れる人気ビジホ・スーパーホテルの実態 月額200万円のクレーム保証で顧客の声を聞く

東洋経済オンライン / 2024年2月8日 12時10分

高いリラクゼーション効果に加え、お湯に溶け込んだ成分が、疲労回復や美肌などの効果をもたらしてくれる天然温泉もその一つ。また、フロントは明るく、廊下は若干暗く、客室はさらに暗く……と、段階的に照度を落とす設計も、科学に基づいた自然な入眠のための仕掛けだという。

さらには眠りやすい音楽まで、ピアニストに依頼して独自に制作。香りにおいても工夫している。リラックス効果を狙い、岐阜県産のヒノキのオリジナルアロマでロビーを満たしているのだ。しかもこのアロマ、なぜかコロナ禍明けから評判が急上昇中なのだとか。

「昨年10月に行われた第1回のファンミーティングでも、ホテルの好きなところとしてアロマを推してくださるお声が多くありました。『スーパーホテルに帰ってきた気がする』『自然の森に入ったようでぐっすり眠れる』などで、これは私達にも予想外でした。だから今社内はヒノキブームで(笑)。商品化も考えています」(星山氏)

これら眠りへのアプローチによる集客効果は、正確な数値としては出せない。だが、ファンからの「ぐっすり眠れるのはスーパーホテル」という声やクチコミから、日々実感しているという。

さらに、「睡眠への関心は、年々高まっていると感じています」と星山氏。国内の睡眠に対する意識調査では、半数以上が「悩みを抱えている」と回答した結果も出ているという。

月200万円! 驚きの「品質保証宣言」

ここまで眠りにこだわる理由は、スーパーホテルの成り立ちにも関係している。スーパーホテルは1890年、山重商店という繊維商社として、大阪・船場に誕生。そして1970年、関西を中心にシングルマンションの経営を開始した。このマンションのノウハウをホテルに転用できるのではと考え、1996年、第1号となる「スーパーホテル博多」を開業した。

当時は今のように「宿泊特化型」と呼ばれるホテル形態がなく、フルサービスのラグジュアリーホテルか旅館が主流。出張するビジネスパーソン向けの手軽なホテルはあまりなかった。そこで、彼らをターゲットに据えて、シングルマンション並みのくつろぎを起点に考えたとき、「安全・清潔・ぐっすり眠れる」がコンセプトとなったのだ。

このコンセプトを叶えるために導入した取り組みの1つに、「品質保証宣言」がある。

その内容は驚くべきもの。滞在中に「安全・清潔・ぐっすり眠れる」が実感できなければ、宿泊料金を全額返金するというのだ。入室してすぐなら、客室チェンジでの対応も可能だ。

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