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宝くじ「高額当せん続出」という売り場のカラクリ 「出る」と噂の売り場に並ぶ価値はあるのか

東洋経済オンライン / 2024年2月9日 13時0分

2,989,900,000(円)÷6,000,000,000(円)=49.8%

この還元率は、数あるギャンブルの中でも最低ランクといえます。

重要な指標③「控除率」

投資したときに、そのうち何%が引かれるのかという指標を「控除率」といいます。還元率と裏表になっていて、基本的には「1-還元率」で計算されます。宝くじの場合は、次の計算式です。

1 − 49.8% = 50.2%

つまり、投資額のうち半分以上が引かれるということです。運営者を「胴元」といいますが、この控除率が胴元の儲けになるわけです。

実体験に基づく感覚と合わない理由

まとめます。宝くじの還元率は50%未満。つまり、「1万円分の宝くじを買ったら平均して5000円分くらい当たる」ということです。しかし、宝くじを買ったことがある人なら、「いや、半分も戻ってくる感覚はない。300円が何枚かと3000円くらいしか当たったことがない」と思う方が多いと思います。

ユーチューバーのヒカルさんの検証結果では、1000万円分の宝くじを買って、232万8900円の当たりでした。つまり、この時点での還元率は23%(232万円÷1000万円≒0.232)くらいです。多くの人の感覚も、「1万円分買ったら、3000円当たるか当たらないか」くらいなのではないでしょうか。

このように、統計では理論上の平均値と実体験に基づく感覚が合わないことがよくあります。例えば、平均年収などがその例です。国税庁の民間給与実態調査によると、平成30年における日本人の平均年収は約441万円となっています。

これを見て高いと感じるでしょうか、低いと感じるでしょうか。過半数の人は「結構高いな」と思うはずです。その理由は、平均値の計算の仕方にあります。 平均値は、全部の数字の合計を足した回数で割った数で、そのグループ全体を要約することを目的として使われます。

飛び抜けた一部のデータを指す「外れ値」

例えば、以下のようなデータがあったとします。

〈年収の平均値の出し方〉 年収データ:300万円・400万円・500万円・600万円・800万円・1000万円・2000万円(計7データ)
(300万円+400万円+500万円+600万円+800万円+1000万円+2000万円)÷7=800万円

7つの年収データの平均値は、800万円になります。しかし、人数でみると800万円より少ない人が4人、800万円よりも多い人が2人です。7人のうち、過半数の4人が平均に満たないのです。これは、2000万円という高所得者のデータが入っていることによって、そのグループ全体の数値が底上げされているからです。

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