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生活に不安で「文学の研究を断念」揺れる院生の心 就職できるポストも少なく、道のりは険しい

東洋経済オンライン / 2024年2月9日 11時40分

一方で、博士後期課程に進学した人はわずか7504人で、10.1%にすぎない。これはすべての学科を合わせた数字なので、人文学系、さらには文学研究で進学したのはわずかな人数しかいないと推察される。文学研究の未来は、もはや危機的状況にあるのかもしれない。

大学院で文学を研究をするのは、就職やその先の進学を考えると確かに厳しい面がある。

それでも山口さんは「大学院で研究してよかった」と感じている。

文系・院・進学はやめたほうがいいのか?

「社会の中にはいろいろな人たちがいて、技術的に発展していくことで生活をよくしていこうと考える人は多いと思います。でも、それだけではなくて、自分の心の中をどうすればよくすることができるのか、どういう心持ちであればよい生活を送ることができるのか、といったことを考えることも大事です。

私自身は文学を研究し、教授や先輩、後輩とディスカッションする中で、自分の考え方が定まってきました。先日研究発表をした際にも苦戦はしましたけど、自分は大事な研究をしていると改めて感じました。人生は長いので、そういうことを考えたうえで社会に出られるのはよかったと思っています。

インターネットで『文系 院 進学』と検索すると、だいたい『やめたほうがいい』という言葉が出てきます。就職を考えれば厳しいのは事実なので、無責任なことは言えません。それでも、研究をしたいと思って、文系の大学院への進学を検討している人がいれば、私は『おいでよ』と言いたいですね」

田中 圭太郎:ジャーナリスト・ライター

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