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「セクシー田中さん」詳細が公表されぬ4つの理由 日テレと小学館、本当に「責任逃れ」狙いなのか

東洋経済オンライン / 2024年2月9日 11時30分

両社がなかなか動かない1つ目の理由は、「芦原妃名子さんと遺族を真っ先に尊重しなければいけない」という前提。

実際、小学館が今回の経緯を公表しない理由は、「芦原さんが経緯などをつづったSNSへの投稿を削除したことを踏まえて、『故人の遺志にそぐわない』ため」などと報じられています。

確かに芦原さんは投稿を削除しており、Xにつづった最後のメッセージは「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」でした。さらに、芦原さんの遺族は「取材のご依頼をいただいても、とてもお話できる状況にはありません。また、こうした状況下、見知らぬ方から声をかけられることに怖れを抱いております。どうぞ、今はそっとしておいていただき、静かに見守っていただければ幸いです」などとコメントしています。

最大限に尊重すべき故人が思い悩んだあげくに「誰かを攻撃したくない」というメッセージを出し、「もう経緯の話はしてほしくない」とばかりに投稿を削除したこと。遺族も「何も話せないし、聞かれたくないし、そっとしておいてほしい」という気持ちを明かしていること。この2つを踏まえて、「経緯の詳細を公表して事を大きくするのはどうなのか」と考えるのは当然であり、「責任逃れ」や「風化狙い」とは言い切れないでしょう。

しかし、今回の件はあまりにもかかわる人が多く、今後の活動に支障をきたしかねないものであり、「『芦原さんと遺族を尊重した』という理由だけで納得させづらい」のも事実。芦原さんと「セクシー田中さん」のファン、芦原さんの友人・知人、他のドラマや漫画にかかわるプロデューサー、脚本家、漫画家、編集担当、営業担当などにとっては決して他人事ではなく、自分事として「真相を知りたい」「改善策を提示してほしい」という人が多いでしょう。

事実ネット上には、今後の仕事に不安を抱く当事者たちの声が上がっていますし、私が取材した他局のドラマプロデューサーや他社の漫画・小説編集者の中にも、「すでに業務で支障が出ているため、経緯を調べ直して公表してほしい」と話す人がいました。

芦原さんと遺族にとって本当に良いことかどうかにかかわらず、経緯を公表してほしいという人の数は圧倒的に多く、この理由だけで経緯を伏せたまま押し切るのは無理があるのです。

個人が糾弾される流れを避けたい

両社がなかなか動かない2つ目の理由は、「経緯を公表することで、再び個人を糾弾するという流れが避けられない」から。

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