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「セクシー田中さん」詳細が公表されぬ4つの理由 日テレと小学館、本当に「責任逃れ」狙いなのか

東洋経済オンライン / 2024年2月9日 11時30分

経緯を調べ直すほど、どうしても「言った、言わない」「こういうつもりだった、そんなつもりではなかった」などと自分の言動を正当化し、相手の対応を批判するような事態を避けづらいところがあります。

実際、今回の件を周辺取材したところ、日本テレビと小学館それぞれに事情や言い分があり、それぞれから「自分の立場からは良かれと思ってしたけど、相手から見たらなぜなのかわからなかったかもしれない」というニュアンスの言葉が聞こえてきました。

それらが真実なのか保身なのか真相はわかりませんが、そのようなすれ違いが出やすいのは事実であり、詳細を調べるほど話はこじれやすく、今後の仕事にまで影響が及ぶリスクが高くなっていくでしょう。さらに言えば、今回の件は「漫画や小説のドラマ化」という点で、すでに他のテレビ局や出版社にも影響を及ぼし、もはや日本テレビと小学館だけの話では済まないものになりました。

テレビ局にとっては、「放送収入の減少を補う」ためにコンテンツビジネスの重要性が高まり、その筆頭であるドラマを多数手がけていくためには出版社との連携は不可欠。なかでも大手出版社との関係性は重要であり、「1年中、何かの仕事で連携している」という状態が続いています。

一方、出版社にとっても、ドラマ化することで漫画や小説が売れるため、テレビ局との関係は重要であり、企画段階からドラマ化狙いの作品も少なくありません。また、近年テレビ局がシリーズ化や映画化、海外配信やグッズ展開などビジネスとしての拡張性・収益性を考えてオリジナル作品を重視しはじめているだけに、出版社にとっては「これまで以上に円満な関係性を築いていきたい」という思いがあるようです。

ただ、テレビ局と出版社の関係性を円満に保つことは、必ずしも原作者の利益を守ることにはつながりません。たとえば、「両者の関係を円満に保とうとして原作者に不本意な条件を受け入れてもらう」というケースは、これまで何度か原作者たちが批判の声を上げていました。もしこの理由で両社が今回の経緯を調べ直し、公表しないとしたら、世間から批判を受けても仕方がない感もあるのです。

“表”に出ない原作者の声もある

両社がなかなか動かない4つ目の理由は、「ネット上などの表に出にくい声も聞いている」から。

現在ネット上の記事やSNSに書かれているのは、日本テレビや小学館に対する疑問や批判ばかりで、それ以外の声は「表に出づらい、出しづらい」という状況が続いています。実際、漫画家や脚本家などが疑問や批判していますが、各出版社の周辺で原作者の声を聞き込みしていると、これらとはまったく別の声も聞こえてきました。

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