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ワークマン「職人を軽視してる」批判は本当なのか 企業イメージの変化に、消費者が追いついてない

東洋経済オンライン / 2024年2月10日 11時50分

今回のニュースで明らかになったのは、消費者がワークマンに持つ「イメージ」と、ワークマンが目指そうとしている「イメージ」が離れている、ということだ。ワークマンの問題をあえて指摘するとすれば、そうした「イメージ」の一致がまだ図られていない、ということだ。

「作業服屋」から「アパレル」へ

ワークマンは1980年、群馬で誕生した。その後、全国各地にフランチャイズ店舗を増やし、店舗数は拡大。高品質かつ廉価な作業服で、作業着業界の圧倒的なシェアを勝ち取る。現在の専務である土屋氏が『ワークマン式「しない経営」』で述べる通り、ワークマンは競合他社がほとんどいない「ブルーオーシャン」の作業服業界で安定した経営を続けていたのである。

歌手の吉幾三が「行こう、みんなでワークマン」と朗々と歌いあげるCMは多くの人の脳裏にインプットされ、演歌などを聞く「おじさん」のための作業服店=ワークマン、というイメージが消費者には根強く存在していた。

これが、「本業を疎かにしている」とワークマンを批判する人たちのワークマン・イメージだ。

一方、現実には、ワークマンは、このイメージを脱却しようとしている。

土屋氏が2012年に専務に就任。その4年後の2016年に、それまで扱っていた「作業服」を「高機能ウェア」と読み替え、それまでのワークマンで、一般人の間で売れ筋商品となっていた商品だけを売る新業態「WORKMAN Plus」をショッピングモールに開店させた。自社が消費者に提供する便益を、改めて見つめ直した結果と言えるだろう。

さらに2020年には、女性向けの新業態「WORKMAN GIRL(ワークマン女子)」を開店した。

「WORKMAN Plus」は現在、全国に543店舗、「ワークマン女子」は44店舗を展開しているが、いずれにしても「職人向け」の店から「一般人」に向けた、より総合的なアパレル企業としての展開を目指しているといえるだろう。

この理由について、土屋氏は自著で「ワークマンは作業服というブルーオーシャンに過剰適応し、身動きが取れなくなっていた」と述べている(『ワークマン式「しない経営」』)。安定経営のためにそこからの脱却を図ったというわけだ。

ちなみに、「WORKMAN Plus」を出店した2016年には、吉幾三のCM放映も終了させ、より一般人向けになった新しいCMへと衣替えをした。

ワークマンは「作業服屋」から「一般向けアパレル」へと変貌を遂げようとしている。つまり、「リブランディング」を試みているのだ。

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