ワークマン「職人を軽視してる」批判は本当なのか 企業イメージの変化に、消費者が追いついてない
東洋経済オンライン / 2024年2月10日 11時50分
もちろん、土屋氏が「WORKMAN Plus」が一般に認知されるには「苦節10年」という期間が必要だろうと予測している通り、1980年代から蓄積されてきたイメージを覆すのは簡単なことではない。そうしたイメージの変化はゆっくりと起こってくるもので、まだ私たちの中には作業服屋としてのワークマンをイメージする人も多い。
今回目立った「本業を疎かにしている」という旨のアンチコメントの多くは、その変化の過程で起こった、いわば成長痛のようなものだろう。会社としても、当然織り込み済みのはず。もちろん、昔からの顧客の心が離れてしまうのはよくないが、だからといってリブランディングを途中で止めるのも本末転倒だ。
リブランディングを成し遂げたユニクロ
では、ワークマンはどのように企業イメージを変化させていけばいいのだろうか。実は、同じアパレル業界でこのイメージの変貌に短期間で成功した事例がある。ユニクロだ。
柳井正率いるファーストリテイリングが運営するアパレル「ユニクロ」は1984年、広島県に誕生。当初は西日本を中心に拡大していたが、徐々に規模が拡大し、現在では国内外合わせて2434店舗にも及んでいる。
このユニクロの快進撃を支えたのが、その卓越したブランディングだ『ユニクロ 世界一をつかむ経営』で月泉博は、2009年、フリースが流行した頃には「ユニバレ」という言葉が流行したことを挙げ、若者たちの間で着ている服が「ユニ」クロ製だと「バレ」ることへの恥ずかしさがあったという。
このように、ブランドイメージ的には「安かろう悪かろう」のイメージを持たれていたユニクロだが、2022年に実施された第79回JNNデータバンク定例全国調査によれば、現在のユニクロの好感度は全国4位、明らかにこの10年と少しでユニクロのブランドイメージは上がってきた。
ユニクロのリブランディング戦略は、製品の品質向上からロゴまで多岐にわたるが、筆者の考えによれば、その変化を支えたのは、2つの「空間」だと思う。それが、「メディア空間」と「店舗空間」だ。
ユニクロのリブランディングを支えた2つの「空間」
メディア空間とは、CMやネット上での広告をいかにうまく使うのか、ということである。
我々がもっとも企業についてのイメージを持つのが広告だ。ユニクロは、もともと2009年に売り始めたフリースのCMでそのイメージを大きく変えた。月泉によれば、それまでのユニクロは「時々けったい(関西弁で”風変わり”の意)な広告をする、西のほうからやって来た衣料ディスカウンター」というイメージだったのが、この洗練されたCM以後、ユニクロのイメージが変化したという。
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