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ワークマン「職人を軽視してる」批判は本当なのか 企業イメージの変化に、消費者が追いついてない

東洋経済オンライン / 2024年2月10日 11時50分

その後も同社はウェブとも連動した意欲的な広告を制作しており、国際的な広告祭でも受賞を繰り返すなど、メディア空間におけるブランドイメージ向上を巧妙に成し遂げた。

もう一つの空間は、店舗空間である。「ユニクロ」と聞いてどのような店舗を想像するだろうか。建物全体がガラス張りになっていて、店内の様子がよく見えるユニクロが思い浮かぶ人が多いのではないだろうか。

実際、銀座や梅田など、ユニクロの旗艦店舗のほとんどはガラス張りになっていて、それ以外の店舗でもガラスを主体とした開放性のある空間が作られている。かつてのユニクロは赤煉瓦の壁面に、三角屋根が特徴的な店舗外観が多く、どちらかといえば庶民的なデザインが主流だった。そうした店舗空間をガラス張りのスタイリッシュな空間に変化させてきたのだ。

こうしたガラス張りの建築は、例えばブランドショップやApple Storeのように、ハイソな印象を私たちに与えるが、そのような空間イメージがユニクロに根付いていることもまた、ユニクロのリブランディングに大きな影響をもたらした。

また、スタイリッシュなデザインということでいえば、その商品においてデザイナーコラボを多く手がけてきたことも、イメージアップにつながっているだろう。この源流をたどると、もともと2006年にデザイナーの佐藤可士和をクリエイティブ・ディレクターに任命したあたりから、そうしたデザイン的な洗練度も増していった。今ではユニクロのデザイナーコラボの熱烈なファンも多い。

ワークマンのリブランディングに必要な要素とは

翻って、ワークマンはどうか。

まず、メディア空間の戦略でいえば、やはり吉幾三のCMの印象はまだまだ強い。代わりに放映が開始された「WORKMAN Plus」のCMをぱっと思い浮かべることのできる人はどれぐらいいるだろうか。

さらに、店舗空間にしても、プレハブ倉庫のような外観の店舗が多く、どこかしら「現場」感がある。「WORKMAN Plus」に変化させた店舗でも、そのままその建物を使っている場合が多い。かつてのワークマンであれば、これがいい方向に働いていただろうが、アパレルを目指す現在ではどうか。

リブランディングは、非常に難しい。特にワークマンのように良くも悪くも根強いイメージを持っていた企業にとってはなおさらだ。そんな難しさを乗り越えて、ワークマンは「アパレル」に変貌することができるのか。カギは、「メディア空間」と「店舗空間」という2つの空間にある。

谷頭 和希:チェーンストア研究家・ライター

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