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「恋愛弱者」の中年独身男性が増える残酷な原因 恋愛強者が未婚のまま残り続けることの影響

東洋経済オンライン / 2024年2月11日 12時10分

ところで、なぜいつも「恋愛強者は3割」になるのでしょうか?

それは恋愛が相対的なものだからです。普遍的、絶対的にモテる人間というものが存在するわけではなく、その時代背景や属する集団の中において、その時々の環境に応じて上位3割がモテるという位置を獲得するに過ぎないのです。

男性でいえば、小学生は「足の速い子」、中学生は「チョイ不良な子」、高校では「部活のスター」、大学では「コミュ力のある子」、社会人になると「収入の高さ」へと遷移するようなものです。

興味深いのは、冒頭に述べた「働きアリの法則」と同様ですが、個人の能力の問題ではなく、置かれた環境の中で相対的に「モテる・モテない」が決まることです。仮に、クラスの中でモテる3割の男子が全員転校してしまったとしたら、残った7割の中から上位3割のモテる子が生じます。

したがって、いつの時代も3割しか恋愛強者がいないのに、なぜ1980年代までは皆婚できたのか?という疑問が払拭できます。彼女・彼氏のいる恋愛強者から結婚していけば、当然残された7割が恋愛強者へと相対的に格上げされていくからです。恋愛強者が早々に既婚者となってくれればくれるほど、残りの7割にチャンスが巡ってくるわけです。

反対に、この恋愛強者の3割がいつまでも結婚せずに独身のままで、恋愛市場から脱退しないとどうなるでしょう。7割は7割のまま取り残されることになります。

今、日本で起きている婚姻減少とは、この「恋愛強者3割の居座り」による影響があります。

「恋人のいる率」で男女差がある背景

前掲した「恋人のいる率」の男女推移を再度確認すると、1980年代は別にして1992年以降、男女の差分が10%ポイントもあります。対象が18-34歳なので、35歳以上の年上と付き合っている女性、18歳未満の年下と付き合っている男性もいるかもしれませんが、それだけではこれほどの差は出ません。

10%差の半分は、男女出生性比の差です。そもそも出生する割合は女児100に対して、男児は105生まれてきます。医療の発達した現代では、生まれた子はほぼそのまま成人しますので、5%の差があるのは仕方ないことです。

では、残りの5%は何によるのでしょう?

割合ではなく、わかりやすく説明するために、実数の人口で見てみましょう。出生動向基本調査の各年の割合を、それぞれ国勢調査における年齢別人口と掛け合わせて算出した「年齢別恋人のいる独身人口」が以下です。

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