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静岡リニア、相次ぐ「新局面」はJR東海に朗報か 県は47項目を整理、国は新組織を立ち上げ

東洋経済オンライン / 2024年2月12日 6時30分

いちばん気になるのは、もし残る30項目の議論が今後も続くとしたら、それはいつまで続くかということだ。森副知事は「議論がいつ収束するとは言えないが、スピード感を持って県専門部会を開催し、解決を図りたい」としながらも、次回の専門部会については「委員の先生の都合もあるので月1回の開催は厳しい」。年度内に開催できるかどうかも未定だという。となると次の協議は4月以降ということになる。スピード感があるとはとても言えない。

なお、県は今回の専門部会の委員1人ひとりに個別に話を聞き、その意見を集約したというが、JR東海はどう考えているのだろう。県によれば、JR東海には2月2日に今回の内容を届けており、「違和感があれば教えてほしい」と伝えたところ、何も連絡がないのでJR東海も了解しているという認識だ。

JR東海からは公式のコメントは得られなかったものの、同社関係者は「県の認識とは違う」という。2日は金曜日で発表日の5日は月曜日。JR東海が内容を精査するには時間が少ない。そもそも、「47項目も含め国の有識者会議で議論した水資源と環境保全の問題で今後、議論すべき残された論点はない」(関係者)。とはいえ、県から要請があれば専門部会で引き続き協議を行うことは避けられない。

続いて2月7日、国交省の村田鉄道局長が県庁に川勝知事を訪ね、意見交換を行った。村田局長は1月21日に流域8市2町の首長との意見交換後、報道陣に県との意見交換について問われると、「県から要請があるか、または機会があれば検討したい」と話していた。それが今回実現した。

面談時間は30分の予定だったが、実際には1時間02分と予定時間を大幅に超えた。時間オーバーの理由について、村田局長は理由の1つとして「川勝知事がJR東海の事業計画の見直しといった持論を説明したため」と話した。47項目に関する国と県の認識の違いといった話題は出なかったという。

今回の会談の目玉は、水資源や環境保全に対するJR東海の取り組みを監視・評価する新たな体制作りの構想だ。流域市町が積極的な国の関与を求めており、それが具体化に向け動き出したということだ。

会談の冒頭で、村田局長が「水資源の問題、環境保全の両分野について総合的な視点で継続的に確認する新たな体制を準備している」と話すと、川勝知事は思わず「おお」という声を発し、こう述べた。「大変興味深い話だ」。

会談終了後、村田局長と川勝知事がそれぞれ報道陣の取材に応じた。村田局長は「順応的管理に従って、事前・事後のモニタリングが非常に重要である」と話し、JR東海が調査を実施する水資源、環境保全の両分野のモニタリングを行う新たな体制作りに取り組むとした。具体的な設置時期や人選などについては、今後検討するという。

「2037年全線開業」を主張する川勝知事

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