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静岡リニア、相次ぐ「新局面」はJR東海に朗報か 県は47項目を整理、国は新組織を立ち上げ

東洋経済オンライン / 2024年2月12日 6時30分

川勝知事は「さすが鉄道局。本格的に乗り出された」と賞賛した。しかし、気になる点もある。モニタリング組織について「どういう人が座長を務めるかによって(組織の)性格が見えてくる」と話す。川勝知事が人選に口出しして県に有利な人物を登用させようとする可能性は否定できない。過去にも国の有識者会議で国が提示した人選案を県が「中立性に疑義がある」として拒否した経緯がある。

それだけではない。川勝知事は「神奈川県内で建設中の車両基地が本当に2027年までにできるか、それもモニタリングしていただく」とも話した。静岡工区の環境問題から逸脱し、リニア計画全体におけるモニタリング体制の構築を求めたのだ。沿線自治体で作るリニアの建設促進期成同盟会に諮りたいというが、リニア計画そのものを監視する組織を作りたいのだろうか。

なかなか進まない専門部会の議論について、川勝知事は「遅らせるつもりはまったくない」と言い切った。しかし、「リニアは全線開通してその機能を発揮する。2037年の全線(品川―新大阪間)開業を目指して叡智を結集しなくてはいけない」。川勝知事がこだわるのは2037年であり、新たな品川―名古屋間の開業時期をどこまで2027年に近づけるかについては関心がない。

とはいえ、新組織がJR東海の大井川の水資源や南アルプスの環境保全に責任を持つのだとしたら、万が一、不測の事態が起きた場合、県は国に責任転嫁できるのだから、川勝知事にとって悪い話ではない。いよいよ川勝知事が難航するJR東海との協議について着地点を探る動きに出たのか、それとも独自の論法で工事を認めない毎度の光景の繰り返しなのか。川勝知事には、自身が県民の代表者であることを心して次の行動に臨んでもらいたい。

大坂 直樹:東洋経済 記者

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