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イチゴを1粒1000円で売る方法を思いつけるか? 用途を変えれば、高くてもバカ売れに!

東洋経済オンライン / 2024年2月13日 12時20分

それに加えて、震災被災地での生産活動という情緒に訴えかけるストーリーも、「ミガキイチゴ」を「高くてもバカ売れ」するブランドに育てた要因のひとつであることは間違いありません。つまり「ミガキイチゴ」は、消費者の理性ではなく感情を動かす「贈答用イチゴ」としてのストーリーを生み出すことで、1粒1000円という驚きの価格づけを成功させたのです。

「ミガキイチゴ」は、贈答用にすることによって、1粒1000円という高価格でのイチゴの販売を可能にしました。では、この手法を他のジャンルで実現している商品例を見ていきましょう。

たとえば、お菓子も「自分用」と「贈答用」では、売り方や価格が大きく変わる商品と言えます。一般的には安価な商品の代表ともいえる「あめ」を、1粒4000円ほどで売って話題になっている店があります。

1粒の「あめ」を4000円で売る方法

それが1818(文政元)年創業の「榮太樓總本鋪」が2007年に立ち上げた飴専門ブランド。「あめやえいたろう」です。そのコンセプトは「美しく楽しく新しく あめを超えて」。200年続く和菓子屋の伝統的な製法を駆使しつつ、あめの可能性を広げていくことを目指しているといいます。

商品サイトを見ると、確かに「美しく楽しく新しい」あめが並んでいます。みつ状のあめをチューブに入れ、リップグロスに見立てた「みつあめスイートリップ」、天女の衣のような軽い板あめ「羽一衣」、A~Z、絵文字、全部で34種類のあめを組み合わせてメッセージを相手に贈れる「ア・メッセージ」などいずれもギフトとして人気です。

中でも「宝石あめ スイートジュエル」は、クリスマスやホワイトデーといった特別な時期にだけ販売される期間限定の商品です。透明度の高い大粒のあめに、スミソニアン博物館が所蔵するブルーダイヤモンド「ホープダイヤモンド」や、ビクトリア女王が所有した世界最大級のダイヤモンド「コ・イ・ヌール」といった実在の宝石と同じカットを施し、それぞれの色彩や輝きを再現しているのが特徴です。

「コ・イ・ヌール」をモチーフにしたあめは「女王の輝き」、「パシャオブエジプト」は「太陽の花」、「ホープダイヤモンド」は「幸運のお護り」など、ネーミングに工夫が凝らされていることも魅力のひとつ。このようにストーリーが感じられると、価値が高まります。

「ミガキイチゴ」もそうですが、物語性を感じさせることは、贈答品としてとても大切な資質です。贈る相手との会話のきっかけになり、自分への印象を高め、お互いのコミュニケーションをより一層深めることができるからです。

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