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イチゴを1粒1000円で売る方法を思いつけるか? 用途を変えれば、高くてもバカ売れに!

東洋経済オンライン / 2024年2月13日 12時20分

宝石箱のようなデザインのボックスに1つひとつ収められた「スイートジュエル」は、ホワイトデーなどのギフトイベントとの相乗効果もあり、まさに「大切な人に贈りたくなる」商品設計と言えます。そこまですることで、あめ1粒4000円の価格を実現しているのです。

「線香花火」にあなたはどんなイメージを持っていますか?

迫力ある打ち上げ花火を観るのもいいですが、家族や仲間と手持ち花火で遊んだ思い出がある方も多いのではないでしょうか? 中でも線香花火は、派手さはないけど儚い美しさがあって、手持ち花火の締めにふさわしい一品です。

とはいえ価格は数ある手持ち花火の中でも、とても安いイメージが一般的です。コンビニなどで花火セットを買ったら入っていたという感じで、わざわざ線香花火を買う人は少ないでしょう。ましてやプレゼントとして誰かに贈るという発想はなかなか出てきませんよね?

しかしそんな線香花火を1箱1万円という価格で贈答品にしてヒットさせた会社があります。それが、福岡県みやま市高田町にある筒井時正玩具花火製造所です。

チープなイメージの線香花火を贈答品にする

代表の筒井良太さんは3代目。高校卒業後、しばらく別の仕事をした後に家業を継ぎました。親戚が営んでいた親工場から線香花火の作り方を受け継ぎますが、初めの10年間はまったく売れませんでした。江戸時代に開発された伝統ある線香花火。

しかし安価な輸入品に押されて国産品はわずか数%というのが現状なのです。そこで筒井さんは、自社の線香花火を海外の量産品と差別化するために、質も見た目も「これぞ国産品」と言われるクオリティを追求することにしました。

花火の質としては、火の玉が大きく、パチパチと散る火花の様子が美しく、途中で火の玉が落ちずに“長くもつ”ことが重要です。宮崎産の松煙や福岡県八女市の手すき和紙を使い、火薬の量や首のより方などにも細心の注意を払いました。

1箱1万円の高級花火として話題になった「花々(はなはな)」は、40本の線香花火が桐箱に収められていて贈答品としてぴったりです。線香花火は持ち手部分を花びらのように仕上げて、それを束ねることで「花束」を表現しました。

さらに桐箱には、和蝋燭と山桜でつくったロウソク立てまで入っています。その佇まいがまた、なんとも優雅です。

この花火が「バカ売れ」した理由のひとつとして、「水溜りボンド」などの人気YouTuberらによる「検証動画」にうってつけの製品だったことが挙げられます。YouTuberが高額商品を購入したり、使用したりする様子を見せる「検証動画」は、YouTubeで再生回数が伸びやすい人気のテーマです。一般的な価格よりも高いほど話題性が高く、SNSでも拡散されやすくなります。

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