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辞めさせたくない「上位2割」社員の話を聞く技術 部下と理解しあうよりも重要なこと 

東洋経済オンライン / 2024年2月13日 7時40分

企業で「本当に仕事ができる人間は2割だけ」という説があります(写真:Graphs/PIXTA)

「『気持ちを聞く』というのは、私たちが思っている以上にはるかに難しいこと」と語るのは、『プロカウンセラーの こころの声を聞く技術 聞いてもらう技術』を上梓した諸富祥彦氏。もしもあなたが上司の立場であれば、どのように部下の気持ちを聞いたらよいのでしょうか? 

本当に仕事ができる人間は2割だけ

くわしい説明やフォローがなくても仕事を完遂できる社員には、ついつい仕事を丸投げしていることがあるものです。上司の立場からしたら、仕事ができると信頼しているからこそなのかもしれません。けれども、部下からしてみたら、「この上司はねぎらいが足りない」「雑に扱われている」といった気持ちになることがあります。

よく「仕事は、仕事ができる人のところに集まってくる」と言われます。また、企業で「本当に仕事ができる人間は2割だけ」という説があります。

「残りの8割は、誰でもできる仕事をしながら、上位2割の人のおかげでメシを食っている」というのです。私は、これは真実だと思います。

大学教授の世界もそうです。意欲的にバリバリと論文や著作を発表し続ける、本当にできる大学教授は全体の2割いるかどうかです。それ以外の8割は、無難な態度で仕事をしながら、そこそこの給料をもらっているように思います(上位2割の活躍があるからこそ、大学教授の世間的なイメージやメンツが保たれているのです)。

企業は「上位2割」の人の活躍があるからこそ、会社の利益が保たれているといえるでしょう。その仕事ぶりは、物的な作業だけではありません。上位2割の人にしかできないことをやり、その人にしか考えつかないユニークなアイデアを出して、その企業を牽引しているのです。

話を聞くべき相手は「上位2割」の社員

しかし、本当に仕事ができる2割の人に依存している企業体質が続くのならば、上位2割の人は、転職や独立などして社外に出ていってしまうかもしれません。次第に「やってられない」という気持ちになるからです。

「上位2割」の人にその企業にとどまってほしいのであれば、上司はその人たちにとどまってもらえる環境を用意すべきです。

実は、上司が話を聞くべきなのは、この「上位2割の優秀な人たち」なのです。この人たちが、

「上司に話をちゃんと聞いてもらえている」

「自分がどんな気持ちで、日々の仕事に取り組んでいるかをわかってもらっている」

「自分に責任のある仕事を任されるのは、上司に信頼され、期待をかけられているからだ」

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