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辞めさせたくない「上位2割」社員の話を聞く技術 部下と理解しあうよりも重要なこと 

東洋経済オンライン / 2024年2月13日 7時40分

上司と部下が「1on1」(1対1)で話す機会があったところで、上司にマインドがなければ単なる説教タイムになりがちです。

しかし、「心持ちを変えたい」と思っても、そうやすやすと変われるものではありません。上司は何も最初から「マインド」を持つ必要はないのです。まずは「形」から入ってください。

次の「4つのテクニック」を形だけ行うことからスタートしましょう。

①説教したいのをグッと飲み込む
②「あなたはどうしたいのかな」とたずねる
③1分間、「なるほど」「うん、うん……」とうなずきながら黙って聞く。それ以外は言わない
④最後に「あなたなら、きっとできると思う」と信頼と期待を伝える

部下と理解しあうよりも重要なこと!

1日に1回、この4つを繰り返すだけで、部下と上司の関係は必ず改善していきます。

極論をいえば、部下の気持ちが本当にわかったかどうかは、どうでもいいのです。企業の文化が本当に変わるために必要なのは、信頼と期待です。「本当に理解しあう関係」を求めてしまうのは「求めすぎ」。すると、どんな上司と部下もうまくいかなくなります。

あるいは、どんな夫婦でも親子でもそうです。人は話せば話すほど、お互いに「わかりあえない」ことがわかるからです。

実は、理解しあうよりも重要なのは、「相手のことがよくわからなくても、信頼し、期待すること」です。「あなたなら、きっとできると思うよ」と伝えることです。

相手に説教したくなっても、グッと我慢し、「あなたはどうしたいの?」と聞きます。

1分間は黙ってうなずきながら聞き続けます。そのうえで、「そうか、わかった」「あなたなら、きっとできると思う」と信頼と期待のメッセージを伝えましょう。

この繰り返しが、上司と部下でも、夫婦でも、親子でも、一番大事なことなのです。

まずは、先の「4つのテクニック」を試してみましょう。形から入り、継続していければ、マインドはあとからついてくるものです。

次に、「4つのテクニック」を使った会話例を紹介しましょう。

「上位2割」が燃え尽きてしまう前に

ケース②

上司:「〇〇さん、あの資料、できた? もう提出期限が過ぎてるんだよね」
部下:「すみません。まだなんです」
上司:「どうして出せないの? みんな出してるよ」
部下:「私って自分が納得しないと提出したくない人なんです。だって、納得できないものを出したって意味がないじゃないですか」
上司:「でも、それってわがままじゃない? ほかの人はみんな提出期限を守ってるんだからさぁ」

ケース②の改善例

上司:「〇〇さん、あの資料、できた? もう提出期限が過ぎてるんだよね」
部下:「すみません。まだなんです」
上司:「まだなのか……それで、〇〇さんは、どうしたいの?」
部下:「あの、自分が納得した段階で提出したいなと思っていまして……あと2時間いただけませんか?」
上司:「そうか、わかった。延期した分、いいものができると期待しているよ。〇〇さんならできると思うよ」

「上位2割」が燃え尽きてしまう会社には、将来も成長もありません。そうならないために、上司の立場にいる人ができること。それは、上位2割の社員の話を聞き、気持ちを受け止めること。その上で、信頼と期待の言葉かけをすることです。

諸富 祥彦:心理カウンセラー

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