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辞めさせたくない「上位2割」社員の話を聞く技術 部下と理解しあうよりも重要なこと 

東洋経済オンライン / 2024年2月13日 7時40分

このような思いで、日々仕事に取り組むことができていれば、退職せずにすむでしょう。

企業にとっての大きな痛手は、優秀な人材が流出してしまうことです。それは、社外への転出だけにとどまりません。あまりの多忙や精神的なストレスが重なると、バーンアウト(燃え尽き)してしまうことによって、うつになって、休職や退職に追い込まれてしまうリスクもあります。

上司が部下の気持ちをていねいに聞く「1on1ミーティング」が多くの企業で浸透しつつあります。

ポイントは、部下の「気持ち」をていねいに聞くこと。話の内容だけではなく、その思いも汲み取って聞くことです。

「1on1ミーティング」は本当に浸透しているか?

もしもあなたが上司の立場であれば、「なんだそんなことか。ていねいに聞くなんてできている」「部下の話を聞けない上司なんて避けられるだけだしな」と思った人もいるかもしれません。

けれども、「気持ちを聞く」というのは、私たちが思っている以上にはるかに難しいことです。自分では聞いているつもりでも、ただ向かいあって「うんうん」とうなずいているだけで本当には聞けていないことがしばしばあります。部下のほうは「聞いてもらっていない」「わかってもらえていない」という不全感を募らせてしまいます。

ケース①

部下:「取引先の〇〇さんにモヤッとしちゃって」
上司:「なんだか最近、グチが多いね。どうしたの?」
部下:「言われたとおりの条件で企画書を出したんです。でも条件じたいに間違いがあって。なのに、しれっと作り直しだって言ってきて……」
上司:「でも、自分では確認しなかったの? そうやって人のせいにばかりしていたら成長しないよ。私だったら確認するけどね」
部下:(こころの声)「ああ、この上司にグチをこぼさなければよかった」

このように、部下の話を聞くつもりが、結局は、指導や叱責を始めてしまう上司が少なくないのです。大切なのは、聞く側の大原則を思い出して、「でも」の一言を言わないことです。

ケース①の改善例

部下:「取引先の〇〇さんにモヤッとしちゃって」
上司:「〇〇さんにイライラしているの、どうしたの?」
部下:「言われたとおりの条件で企画書を出したんです。でも条件じたいに間違いがあって。なのに、しれっと作り直しだって言ってきて……」
上司:「そうか……。それは大変だね。イライラしちゃうね」
部下:(こころの声)「ああ、わかってもらえた!」

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