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ダイソー、「120円ショップ」にはならない深い戦略 都心で大量出店、「300円業態」生みの苦しみ

東洋経済オンライン / 2024年2月13日 7時25分

100円ショップ最大手「ダイソー」のPB比率は9割で、残りは食品が占める。バイイングパワーは圧倒的だ(写真:大創産業)

100円ショップ最大手の大創産業が、高価格帯業態「Standard Products(スタンダードプロダクツ)」の出店を進めている。価格帯は300円が中心で、100~1000円の生活雑貨を扱う新業態だ。円安で100均チェーンが苦戦を強いられる中、高価格帯業態は救世主となるのか。大創産業の矢野靖二社長に、業態ごとの舵取りについて聞いた。

ダイソーに並ぶ、もう1つの基軸がほしかった

――高単価業態「スタンダードプロダクツ」の出店を増やしています。100円ショップ「ダイソー」との違いを、どのように意識していますか?

【グラフ】規模拡大が続く大創産業の売上高

スタンダードプロダクツのコンセプトは「ちょっといいのが、ずっといい」。2020年から準備を始めて、2021年に渋谷に1号店をオープンした。海外展開を見据えてダイソーともう1つの基軸がほしくて、違う表現にしたかった。プロダクトデザイナーの監修で世界観を作り上げ、都心部を中心に出店を増やしていく。

地域産品の中には価格が高いなどの問題で、商品のよさを訴えきれずに眠っているものがある。例えば、布巾を手に取りやすい価格で扱えば、知名度を上げることができる。こうしたコンセプトを理解してもらえる方に商品供給をしてもらっている。

仕入れ先はダイソーと一緒のところもあれば、違うところもある。社内デザイナーだけでなく、外部デザイナーにも依頼している。

スタンダードプロダクツは2月末に100店体制となる。これから積極的に出店を進めて、国内500店体制を目指している。海外はシンガポールと台湾に出店し、来期中にはオーストラリアも考えている。

――スタンダードプロダクツの中心価格帯は300円です。ダイソーと比べて、価値の違いはどのくらいあるのでしょうか?

とても難しい。全社売上高の95%がダイソーだから、同じ300円商品で比べてもバイイングパワーが違いすぎる。ダイソーが強すぎて、バイヤーは苦しんでいる。

価値はお客さんが判断することだが、必ず消費者目線で見るようにしている。今はまだ生みの苦しみの段階だ。

――円安が続いています。100円商品だけをそろえるのは厳しいですか?

スタンダードプロダクツについては、2020年から準備をしてきたので円安を意識したブランドではない。たまたまタイミングが重なっただけだ。

ダイソーについては、100円でスリッパは扱えなくなった。(調理器具などの)品質にも限界がきている。お客様のニーズに応えきれないものもあるので、そうした品物は見直している。

日本では100円から逃げることはない

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