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カワサキ「ニンジャZX4-RR」中型4気筒復活の息吹 扱い切れるミドルクラスのスーパースポーツ

東洋経済オンライン / 2024年2月13日 12時10分

しかし、このエンジンが本領を発揮するのは「そこ」ではない。実際、5000回転を超えてからのサウンドは加速度を増して官能的になっていく。とくに各ギアでの7000~9000回転あたりのスロットルレスポンスは秀逸で、見やすいフルカラーTFT液晶メーターのお陰で、そのエンジンのライブ感が楽しめる。

しかし、それでも、エンジン性能のわずかしか引き出しておらず、さらにアクセルを開き、1万回転オーバーまで上昇させていくと、メーターに目を配る余裕をライダーに与えないほどの加速感を味わえる。1速ギアで一気に最高回転数の1万5000回転までまわすと、時速80km/hをあたりまで速度が上昇する。もちろん、最新のSuperSport1000ccクラスでは、1速で軽く180km/hオーバーなんていうマシンも多いが、それらは現代の交通環境を考えると、あまりにも現実的ではないだろう。

ZX4-RRは、そのあたりのユーザビリティーに関しては決定的にフレンドリーで現実的なマシンだ。

扱い切れる楽しさが詰まったメイキング

コンパクトに仕上げられた車体まわりのお陰で、乗り手としては「乗せられている」と言うよりも「乗っている」感が強く、操る楽しみが十分に味わえる。400ccの奏でるエンジンサウンドと、軽快だが落ち着いたフロントまわりのハンドリングに市販車最高峰レースでの圧倒的な強さを持つカワサキのエンジニアリングも感じずにはいられない。

高いエンジン性能とハンドリング性能の基本ベースをしっかりと構築したうえで、上位機種からフィードバックを受け、さらにライダーとの一体感を高めている。

パワーモードの切り替えは「フルパワーモード」と「ローパワーモード」の2種類で、ダイナミックな加速感が持ち味のフルパワーモードに対して、ローパワーモードはスリッピーな路面コンディションやツーリング時に最適化された穏やかなエンジン特性を演出しているので、走行環境に合わせて選べるところも嬉しい。近年は多くのライディングモードを用意しているモデルも多いが、2モードしかない選択も乗り手を迷わせない潔さがある。

KTRC(カワサキトラクションコントロール)は、3段階もしくはOFFの選択が可能。システムはさまざまなパラメーターを監視し、最も効果的に作動するように作られている。単に滑ったからアクセル開度を戻すといった制御ではなく、さまざまな走行条件を瞬時に演算し最良の状態を作るあたり、上位機種からのフィードバックも多いと感じたポイントだ。

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