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「囚われた人々」奪還へ突き動かすイスラエルの教え どんな大きな代償を払っても人命を救う理由

東洋経済オンライン / 2024年2月13日 20時0分

IDF報道官ダニエル・ハガリは次のように発表した。

「われわれは長い時間をかけて準備を進め、この作戦を実行できる条件が整うまで待ち続けた。午前1時49分、特殊部隊がラフィアフ中心部の建物に突入した。建物の2階部分にルイスとフェルナンドがハマスの武装テロリストにより拘束されていた。

他の拠点からもテロリストが参戦して激しい銃撃戦となった。1時50分、イスラエル空軍が援護射撃を始め、銃撃戦の続く中でIDF兵士が人質2人を救出、安全な場所へと確保することに成功した」

戦闘は約1時間続き、IDF兵士1人が負傷した。救出された2人はすぐに病院に搬送されたが、健康状態はいずれも良好だという。

2人は10月7日にニール・イツハクから拉致された。ニール・イツハクはガザ地区から南東に数キロメートルの地点に位置するキブツ(集団農場)で、2023年10月7日の襲撃で多くの犠牲者が出ている。

テロリストの襲撃に気づいた彼らはシェルターに避難していたが、そこから引きずり出されてガザに拉致された。

その場で一緒に連れていかれたルイスさんの妻でありフェルナンドさんの姉妹であるクララさん、その姉妹ガブリエラさんと娘ミアさんは、2023年11月の人質交渉の際に解放されていた。17歳のミアさんは愛犬と一緒に解放された様子が報道され、人質解放の象徴とされてきた。

ヨアブ・ガラント国防相は、今回の救出作戦について次のようにコメントした。

「IDF、シャバク、ヤマムによる高度な作戦を評価する。われわれは人質を奪還するため、あらゆる手段を用いてわれわれの義務を果たし続ける」

自分たちの同胞が監禁されている地域を攻撃するのが容易ではないことは、想像にかたくない。自らの攻撃により、同胞の命を危険にさらすことになるからだ。

さらにガザ市民を「人間の盾」として居住区や病院、学校などに潜むテロリストを相手にしているのだから、戦闘における難易度はより高いものとなる。

手の内をさらしての攻撃という難しさ

ピンポイントでテロ拠点を攻撃する際、IDFはガザ市民への避難を呼びかけている。事前にビラを配布し、ウェブ上に特設サイトを作って避難経路を案内している。自らの手の内をさらして作戦を行う軍隊が世界のどこにあるだろうか。

それでも多くの被害が出るのは、避難しようとする市民をハマスが阻んでいるからである。ハマスによって住民の避難が阻止されていることは、ガザ市民の証言によって明らかになっている。

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