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「年収倍増も」日本を見限る日本人はどこへ行く? 円安定着のこれからは海外のほうが稼ぎやすい

東洋経済オンライン / 2024年2月14日 11時0分

(写真:mits/PIXTA)

コロナ禍が一段落して、人の動きもすっかり以前の状況に戻った。そこで見過ごせない現象が起きている。日本人の国外転出、「脱ニッポン」の動きが増加しているのだ。

【グラフを見る】海外の永住邦人は一貫して増加傾向

「住民基本台帳人口移動報告」によると、2023年の1年間に日本から国外に転出した日本人は15万9421人だった。一方、国外から日本へ転入した日本人は13万4171人。2万5250人の転出超過である。

国内では東京一極集中のトレンドが再び顕著となっているが、その東京都でさえ転出3万7343人に対し転入は3万0949人と、6394人の転出超過なのである。不気味な脱ニッポンが進行中だ。

長期的なトレンドは?

この数年はコロナ禍という特殊な状況に置かれたため、脱ニッポン現象をもう少し長期的に検証してみよう。外務省が公表している「海外在留邦人数調査統計」で1989年(平成元年)以降のデータで推移を検証した。

海外長期滞在者と永住者を合計した海外在留邦人の数は右肩上がりに増え続け、コロナ直前の2019年にピークをつけた。その後減少するのは、やはりコロナの影響が大きかったのかもしれない。

一方、コロナ禍の時期でも永住者数は増え続けた。永住者は腰を据えた海外移住であり、この数が一貫して増加していることは脱ニッポンを象徴した現象といえるだろう。

バブル経済崩壊後からの失われた30年のあいだに、海外在留邦人数は2.2倍の大幅増となっている。在留邦人約130万人(2023年)というと、政令指定都市がひとつ海外に移転したようなものである。国内の外国人労働者が200万人を突破したことが話題になったが、その一方で脱ニッポンの動きが年々加速しているのだ。

では日本を脱出した日本人はどこへ向かったのだろうか。2023年のデータ(在留邦人数)によると上位10カ国は次の通りだ。

①アメリカ(41.5万人)、②中国(10.2万人)、③オーストラリア(10.0万人)、④カナダ(7.5万人)、⑤タイ(7.2万人)、 ⑥イギリス(6.5万人)、⑦ブラジル(4.7万人)、⑧韓国(4.3万人)、⑨ドイツ (4.2万人)、 ⑩フランス(3.6万人)

コロナ前の2019年に比べるといずれの国でも減少したが、2022年との前年比増減ではオーストラリア、カナダ、韓国、台湾、ニュージーランドなどで増加した。

ちなみに都市別の上位は、①ロサンゼルス都市圏(6.4万人)、②バンコク(5.1万人)、③ニューヨーク都市圏(3.7万人)、④上海(3.7万人)、⑤大ロンドン市(3.2万人)だ。日本企業の支社・支店や、現地法人が多く存在する都市が上位に並んでいる。

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