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山崎元、余命宣告されて伝えたかった「幸福」の正体 「豊かさ・お金」と「自由」があればいいのか?

東洋経済オンライン / 2024年2月15日 14時0分

自己承認感によって人をコントロールすることを最も大規模に成功させているのは宗教だろう。

自爆死するテロリストは、宗教に「洗脳」されて、「来世の幸せ」を信じて、自死をも厭わずテロに及ぶと一般的に理解されるようだが、これは本当だろうか?

思うに、宗教の「効用」は、来世の幸福への期待になどあるわけではない。現世で仲間から得られる自己承認感にある。

孤独な人ほどハマりやすい自己承認の落とし穴

「すべての」と言い切る自信はないが、多くの宗教は、信者が来世的な幸福をリアリティを伴って信じているからではなく、現世においてグループ内で自己承認感を得られる「現世利益」を得ることによって成り立っている。

ある種の信者にとって、これを急に失うことは、自死をもってでも避けたい事態だ。

「来世」は、ただ「そうであるかもしれないことが否定はできない状況」として精神的な逃げ道として存在するならそれでいいのだ。

若者でも高齢者でもいい。孤独な人物を見つけたとしよう。彼(彼女)に「場」と「役割」を与えて、仲間内から評価されるような仕組みを作ると、いわゆるマインドコントロールはそう難しくなく可能なのではないか。

厄介なのは、対象者側でもそうした場を求めている場合があることだ。退職した高齢者についてしばしば問題になるのは、会社という場を失った彼(彼女)に居場所がないことだ。

山崎 元:経済評論家

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