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ロードスターを「ヤバいクルマ」と思ったワケ 8年ぶり大幅改良はユーザー想定外の出来栄え

東洋経済オンライン / 2024年2月15日 11時40分

齋藤主査は「大幅改良とはいっても、デザインが大きく変わっていないので『何が変わったのか』と思う人もいるかもしれない。一方、ロードスターをよく知っている人にとっては、『そこまでやっていたのか』と思ってもらえるはずだ」と、大幅改良に対する自信を示した。

「走り」の改良の中身

試乗で感じたダイナミクスの領域では、大きく2つ。電動パワーステアリングとLSD(リミテッド・スリップ・デフ)の大幅改良だ。

電動パワーステアリングでは、ND導入時点では量産品として広く普及していなかったステアリングギアシステムを新規採用し、フリクション(摩擦)を低減。さらに、モーター制御をマツダ内製化して、特にハンドルを戻す際の制御を緻密化した。

さらにステアリングトルクセンサーの容量を増やすことで、街中から速度が高い場合やGが強い場合まで一貫したアシストを実現している。

また、リアの駆動の差動制限力をコントロールするLSDは、「RX-8」などからNDを含めて約20年間採用してきた、構造がシンプルで軽量な「スーパーLSD」から「アシンメトリックLSD」に変わった(Sを除く)。

アシンメトリックLSDは、差動制限力を加速時と減速時で変える機構があるのが特徴だ。ロードスターの場合、コーナーでシフトダウンをともなう減速時に「リアの安定性をさらに高めたい」というエンジニアの思いがあった。柔軟なサスセッティングを生かしながら、LSDの改良でそれを実現したのだ。

具体的には、トルクがかかる機構部品を分割して、噛み合う角度を加速時と減速時で変えた。結果的に、左右後輪にかかるトルクが、これまでは加速・減速時ともに1.8倍だったものが、加速時は1.8倍を維持しつつ減速時では2.3倍に引き上げられている。

また、初期トルクを差動制御力に伝えるバネを、巻バネから皿バネに変更したことで、LSD内でトルクが均一に伝わるようになった。その初期トルクも、従来の半分としたことで街中でもスムーズにLSDの効果がわかるようになっている。

なお、サスペンションは、ソフトトップとRFともに特に手を入れられていない。

エンジン音は「聴こえ方」が変わった

エンジンは高回転でさらに伸びやかとなり、出力は3kWアップした。またMT車では、アクセル操作に対する加速度変化をより明確化したことで、アクセルに対するクルマの動きに「キレ」や「メリハリ」が加わって、これがダイナミクスとうまく同期している。

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