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UFJ「根回しやめます」と、私が見た大企業のリアル なんとなく全員で決める文化が長い会議を生む

東洋経済オンライン / 2024年2月15日 17時30分

実際、どうなのだろうか。誤解がある、と私は感じる。

まず、メンバーシップ型について。なぜこれまで日本が採用していた年功序列で給与が上がるかと言うと、それはメンバーシップ型である以上、その組織で長く経験を積んだ人こそがスキルが高い、という論理的結論になるからだ。であれば年功の上位者は若者よりも、すべてスキルが高く、かつ意見を拝聴する対象になっていく。

一方、ジョブ型は、やや日本では極端に喧伝されている。実際に外資系の人々と話していると、曖昧なジョブディスクリプションも多い。だって、ビジネスでは何が起きるかわからないから、事前に仕事を完全に規定できるはずはない。

ジョブ型は清々しい、ゆえに日本で定着していない

むしろ、ジョブ型の肝要は、「こういう仕事できるなら、これだけ払いますよ」と値札をぶら下げる点にある。そして年長者が応募しても「あなたはこれを遂行できる能力がないので就けません」と説明する必要がある。この清々しさこそ、日本にジョブ型がさほど定着しない理由だ。

だから、日本企業はジョブ型を大胆に採用せず、メンバーシップ型にとどまる。さらに、人材が流動的であれば、そもそも根回しうんぬんの前に、固定したメンバーがいない。だから人間関係ではなく事実ベースで判断するしかない。

なお、もう一つの話として、「人材の流動性がないので、仕事を効率化しても、けっきょく人材数が減るわけではない」「だから、会議が長くても短くても人材コストは変わらない」「会議を短くするインセンティブがない」といった問題もあるだろう。

私の現場経験から③日本の聞けない文化

ここ数年、X(旧Twitter)を見ていると驚くことがある。芸能人でも文化人でもいいのだが、少し間違ったことを述べると、有象無象がその間違いを指摘する。

政治学者が、自身の専門領域について間違えるのは問題かもしれない。しかし専門家でも、専門領域のなかでも少しズレただけで、意外と物事を知らない。これは批判ではなく、そういうものだ。

それなのに、Xでは、にわかの知ったかぶりする人にあふれている。きっと、専門家の間違いを指摘する人も、少し調べただけの場合がほとんどだ。

欧米人が初歩的な質問をしてくる理由

ただ、欧米人(とくにアメリカ人)と仕事をした人は納得してくれるだろうが、とんでもなく初歩的な質問をしてくる。「え、それを聞く?」という内容が多い。驚くほどだ。

これは海外でセミナーに参加した経験がある人も同意見だろう。堂々ととんでもない基本的な質問をしている。つまり、これは、その場を使って、お互いを齟齬なく理解するためだ。

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