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「敵に塩を送る」行為が"メリット"に働く意外な訳 大学受験を目前に控えた高校3年で学んだこと

東洋経済オンライン / 2024年2月16日 6時50分

たとえ競争関係にある相手でも、人には優しくしたほうが、目標を達成しやすくなります(写真:mits/PIXTA)

あなたは、自分のことを「優しい人」だと思いますか? 

人に優しくすると、自分の気持も良くなります。それによって、脳内にセロトニンなどの神経伝達物質が分泌されて、心身にいい影響が生まれることが科学的に明らかになっています。

しかし、世の中全体がギスギスとしていますから、どうしても自分のことを優先して考えるようになり、周囲の人を慮るような精神的なゆとりを見失いがちです。

こんな時代だからこそ、「優しさとは何か?」を考えることで、その意義を見つめ直す必要があるかもしれません。精神科医である和田秀樹氏の新刊『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』をもとに、優しさの意味と意義を3回に渡り解説します(今回は3回目)。

日本人は「道」はあるが「徳」がない

日本人が美学を意識しなくなった背景には、道徳とか道徳教育の在り方が右往左往してきたことも大きく関係しているように思います。

【図解】地頭のいい人の特徴とは?

道徳には、「道」と「徳」という2つのパートがあります。

「道」とは、「親孝行をしなさい」とか、「弱い者は助けなさい」、「順番を守りなさい」など、人が守らなければならないルールを指します。

「徳」というのは、そうしたルールを守ることができる状態を指し、どちらかというと、「こうありたい」とか、「こうなりたい」といった人間のあるべき姿を示しています。

天変地異が起こっても略奪行為はしないとか、電車やエレベーターに乗るときは整列して待つなど、日本人は世界に類がないほど「道」を守っていると思いますが、「徳」については、圧倒的に勉強が足りていないと感じています。

日本ほど、大金持ちが寄付をしない国はほかになく、政治家が平気でウソをつく国も珍しいと思います。「この人のようになりたい」と思えるような政治家や経営者がいないことも、徳のなさの現れといえるのではないでしょうか。

これまでの道徳教育というのは、「道」ばかりに重点を置いてきましたが、これからは自分で意識して「徳」を学んでいく姿勢が大事だと思います。自分の在り方を考えることは、美学を持つことにもつながり、優しい人に一歩近づけることになります。

ライバルに優しくしたら負け?

出世競争をしているビジネスマンや、大学や高校の受験生には、「ライバルに親切にしたり、優しくしたら負け」と考えている人がたくさんいますが、たとえ競争関係にある相手でも、人には優しくしたほうが、目標を達成しやすくなります。

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