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「アリババからシフト」孫正義氏とマー氏の関係 巨大企業の経営者が共に歩んできた道のり

東洋経済オンライン / 2024年2月16日 7時50分

ジャック・マー氏(左)と孫正義氏(右)。写真は2015年(写真:AP/アフロ)

ソフトバンクグループ(SBG)が2月8日に発表した2023年10~12月期連結決算で、最終損益が5四半期ぶりに黒字となった。ビジョン・ファンドが投資するAI関連企業の投資収益の向上が要因だ。

【写真】2019年に東大で行われた、マー氏と孫氏の対談

一方、SBGは2019年まで保有資産の半分を占め、筆頭株主だった中国アリババグループの株式を実質的に全売却した。

「アリババからAIへのシフト」の転換点を迎えたSBGに対し、アリババは中国当局との軋轢で表舞台から姿を消して久しい創業者のジャック・マー氏が同社株を買い増し、筆頭株主に浮上したことが判明した。

インターネット黎明期の四半世紀前に出会い、盟友関係にあったSBGの孫正義会長兼社長とマー氏は「卒婚」を選択し、AIの波を味方につけ自社の再興を図ろうとしている。

ジャック・マー氏が筆頭株主に

SBGはビジョン・ファンドの投資収益悪化という冬を乗り切るため、2022年から段階的にアリババ株の現金化を図ってきた。

ビジョン・ファンドの重荷に加えて、IT企業への規制強化や経済の減速などチャイナリスクが高まっていることから、2023年にはアリババの全株式売却を決めた。

2019年12月末時点でSBGの保有資産の50%を占めていたアリババ株は、2023年末に0.02%まで低下し、今年1月25日には金融機関と締結していたアリババ株式の先渡売買契約について、現物決済が完了したと発表した。

SBGの発表の数日前、ニューヨーク・タイムズやアリババ傘下の中国英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」は、マー氏が香港市場で株式5000万ドル(約75億円)相当を追加取得し、筆頭株主になったと報じた。

アリババ創業時からマー氏の右腕を務め、2023年6月にアリババ会長に就いたジョセフ・ツァイ(蔡崇信)氏も、資産管理会社を通じてアメリカで上場する株式を1億5100ドル分(約230億円)取得。2人合わせた株式の保有比率は約7%に上昇したという。

2019年にアリババ会長を退任したマー氏は、保有する同社株を少しずつ売却し、持ち分を減らしていた。

2020年11月にアリババ金融子会社「アント・グループ」の上場が中国当局の「指導」によって直前で延期となるなど、当局との関係悪化も表面化し、マー氏が公の場に姿を現すことも激減した。

ツァイ氏もマー氏と足並みをそろえるように同社の持ち株比率を減らし、アメリカ・NBAチームのオーナーに就くなどアリババの経営から距離を置きつつあった。

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