「不適切にもほどがある!」話題さらう8つの要因 コンプラでがんじがらめの世の中に風穴開ける
東洋経済オンライン / 2024年2月16日 18時0分
2:80年代カルチャーがなつかしい
1986年といえばバブルの夜明け(86年の12月からとされている)、日本がノリに乗っていた時代である。経済的な豊かさによって、音楽、映画、アイドル、ファッション、ヤンキー、ドラマ等々、文化やサブカルチャーも花盛り。
この時代を描いたヒットドラマといえば、宮藤官九郎の、朝ドラこと連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年)、そして、西森博之の漫画が原作でドラマや映画となった「今日から俺は!!」(脚本、監督:福田雄一)などがある。
この時代はほどよくなつかしく、が、ほどよく古すぎず、まだ記憶や記録がたくさん残っているので、うんちく語りや自分語りにはぴったり。ドラマを見て、SNSであれこれと自分の知識や思い出を披露できる。
これは、役所広司主演、ヴィム・ヴェンダース監督の映画『PERFECT DAYS』にも通じるものだ。あの映画も主人公の青春時代を彩ったであろう音楽が同時代を過ごした観客の心をつかんで離さない。同時代性はヒットの重要ポイントである。
「不適切にも〜」では時代考証がややズレているのではないか、と指摘する声もあるが、それも作り手のミスではなく、話題づくり、あるいは、何かの伏線ではないかという見方もある。
宮藤の世界観を的確に体現する阿部サダヲ
3:主人公の阿部サダヲの圧倒的魅力とかわいすぎる河合優実
阿部は、脚本家の宮藤官九郎とは同じ劇団大人計画の劇団員同士。グループ魂というバンドもやっている。宮藤の書いた大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」(2019年 NHK)でも主役を務め(中村勘九郎とW主演)、激しい熱量と速度のある演技によって、宮藤の世界観を最も的確に体現する。超人的なパワーと表現力と同時にかわいげがあるのも人気の所以だ。
小川の娘役の河合優実は、主として映画で注目され、映画の新人賞をたくさん獲っている、演技派若手俳優。今回、まさかこれほど、80年代のヤンキー女子高生が似合うとは。80年代の女の子の純情可憐な雰囲気を見事に再現している。
4:宮藤官九郎節が冴える
本人役で出た八嶋智人が、ビジネスクラスではなくエコノミーが似合う俳優という表現が、本人には悪いが、なんとなくわかる気がする。そういう独特の視点が随所にある。
また、その八嶋が劇中で告知する公演が、実際に公演中の演劇であるという遊び心。それも、どこにでも「しれっと潜り込む」俳優というセリフと、しれっとほんとの告知を潜り込ませているという状況と重なる巧さ。こんな感じで全編、密度が濃い。
この記事に関連するニュース
-
【放送文化基金賞】『不適切にもほどがある!』ドラマ部門で奨励賞 磯山晶Pが笑顔「中身は適切だと評価された」
ORICON NEWS / 2024年7月9日 19時36分
-
2024上半期もっともブレイクした23歳女優はなぜ“逸材”なのか。ブレイク前夜に対面した筆者が読み解く
女子SPA! / 2024年7月4日 15時45分
-
「新宿野戦病院」クドカンの原点回帰を予感する訳 「不適切」と「虎に翼」の風穴のさらなる拡大へ
東洋経済オンライン / 2024年7月3日 13時0分
-
2024年上半期ドラマ 魅力的だった俳優は?
クランクイン! / 2024年6月29日 8時0分
-
2024年上半期「最もハマった日本ドラマ」トップ10発表【モデルプレス国民的推しランキング】
モデルプレス / 2024年6月24日 19時0分
ランキング
-
1トヨタの新型「ランドク“ルーミー”」初公開!? 全長3.7m級「ハイトワゴン」を“ランクル化”!? まさかの「顔面刷新モデル」2025年登場へ
くるまのニュース / 2024年7月23日 11時50分
-
2ダニ繁殖シーズン到来…アレルギー持ちや痒くてたまらない人はカーペットと畳に注意
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月24日 9時26分
-
3義母と元夫は減塩生活中!? 嫁に去られた親子の今…【お義母さん! 味が濃すぎです Vol.48】
Woman.excite / 2024年7月15日 21時0分
-
4泥酔して道端で寝ていると…介抱してくれた“女性”のまさかの正体。一ヶ月後に再会し、「思わず絶句した」
日刊SPA! / 2024年7月23日 8時52分
-
5ヤバい「エアコン代」この猛暑でも節約するワザ 寝ているときや外出時のつけっぱなしはOKか?
東洋経済オンライン / 2024年7月24日 7時1分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください