萎縮させられる「日本のエンタメ」が復活するカギ ドラマ「不適切にもほどがある」で痛感する現在地
東洋経済オンライン / 2024年2月16日 15時30分
エンターテインメントの世界に限らず、「目立つ人間を叩く」という風潮は、才能の芽を潰したり、才能を発揮する機会を奪ったりすることにもなりかねない。芸能の世界はイメージを重視するため、「世の中からどう見られるか?」という視点から判断されることが多いが、そのつど、場当たり的な対応をしていては、業界の健全化もスムーズには進みにくいだろう。
本当に「表現の自由」は失われているのか?
テレビを中心に、表現面での制約が強まる傾向が顕著にみられている。その背景には、グローバル化、多様化が進む中で、逆に多方面での配慮が必要になっていることが挙げられる。昨今のハリウッド映画の低迷の要因として、行きすぎたポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)を指摘する人もいる。多様性の尊重が、逆に表現の制約を強めてしまうというパラドックスを生んでいるのだ。
一般企業においても、コンプライアンス意識は年々強くなっている。これも時代の流れとしてどうしようもないことで、今後さらに厳しくなることはあっても緩くなる可能性は低い。
広告収入に依存している地上波テレビ放送やラジオ放送では、スポンサー企業の意向は無視できない。放送法、視聴者の声、スポンサー企業の意向など、多方面への配慮が必要になっている。
一方で、NetflixやAmazonプライム、Huluのような動画配信サービスでは、そうした制約は比較的少ない。資金も潤沢で、クオリティの高い独自番組も制作されている。YouTubeなどのネット系メディアも、規制はありつつも、比較的自由な表現活動が行われている。
視聴者の立場からすると選択肢が増えているという側面もあるし、表現者から見ても表現に応じて多様な媒体を選択できるようになっている。
映画においても、2023年に「月」「福田村事件」といった、タブーとされているテーマに果敢に挑んだ日本映画が公開されており、複数の映画賞にノミネート、受賞している。
全体として見ると、制約は必ずしも強まっているとは言えないように見える。メディアが多様化する中で、地上波テレビ放送が割を食らっているように見える。
エンターテインメント、特にお笑いは、長い歴史の中においては権力に抗ってきた歴史もある。
江戸時代の娯楽小説である戯作はたびたび幕府の取り締まりを受けた。喜劇王チャップリンは、当時台頭していたナチスドイツに対抗するために「独裁者」を撮り、その後、赤狩りによって実質的な追放を受けたアメリカ合衆国を風刺する「ニューヨークの王様」を撮っている。
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