高齢者は「大行列のラーメン店」に行くといい理由 失敗も大歓迎!?新たな冒険は幸せのタネ
東洋経済オンライン / 2024年2月18日 6時50分
長く生きていると長年の経験から自身の趣味や嗜好、癖が定まってしまいます。それは“長年の勘”として評価できることもありますが、『ゆるく生きれば楽になる』の著者で、高齢者専門の精神科医として40年近く高齢者医療の現場にいる和田秀樹さんは、新しい刺激や得難い体験を求め、ちょっとした冒険に踏み出したほうがいいと言います。
もう失敗したくないと守りの姿勢に徹するのではなく、日常生活で今までやってこなかった新しいことを何でも試したほうがいい。そこから得られる恩恵とポイントを、和田秀樹さんによる同書より一部抜粋してお届けします。
「毎日が実験」と思って前向きに生きる
ある程度の高齢になった私たちは、今後のさらなる高齢化への準備として毎日実験と思っていろいろなことをしてみるといいでしょう。
難しいことではありません。日常生活の中で今までやってこなかった新しいことをなんでもいいから試してみるのです。
出かけた先で、大行列のラーメン店を見つけたら「どうせそれほどおいしくないくせに」などとシニカルに考えず、まず並んで、実際に食べてみましょう。
1時間並んでようやく食べたものの、やっぱりおいしくなかったとしても、損するのは1時間ほどの時間と1000円程度の財産です。試しもせずに否定するより、「食べてみたけどやっぱり今ひとつだったな」と経験知を得るほうがはるかに前向きです。
これまでの人生、失敗を恐れて生きてきた人も多いでしょう。けれど、こうした日常のちょっとした実験では、失敗したって全く問題はありません。いえ、それどころか失敗すること自体が新しい体験であり、楽しみになるのです。
今まで敬遠していたような派手な服を着るのもいいし、いつもは通らない道を通ってみるのでもいいでしょう。「どうせ面白くないんじゃない」と思っていた著者の本を読んでみたり、「自分にはできない」と思ってきたことに挑戦してみるのです。
「どうせ大した内容ではない」「あんなもの楽しいわけがない」などと、行動を起こすこともなく否定的なことばかり言っていると、どんどん老けて頭が頑固になるばかりです。
「やりたいことを自由にやってみる」「全然できなくていい」「どれだけ失敗してもいい」「すぐにやめてもいいしダラダラ続けてもいい」「うまくならなくていい」「他人の目は気にしない」「他人と比べることもしない」
そんな姿勢が、楽しくゆるく生きることにつながります。まず、なんでも拒否せずそのまま受け入れてみましょう。
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