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高齢者は「大行列のラーメン店」に行くといい理由 失敗も大歓迎!?新たな冒険は幸せのタネ

東洋経済オンライン / 2024年2月18日 6時50分

ひっかかるのは判断能力の鈍くなった高齢者だけだろうと考えるかもしれませんが、意外にも、50代くらいのしっかり者が騙されたということも少なくないのです。

詐欺の手口は、こちらが考えるよりかなり巧妙です。社会心理学的な見地では「自分は絶対にひっかからない」と自信を持っているような、猜疑心が強い人のほうがひっかかりやすいとされています。

「渡る世間に鬼はなし」と考えて人を信じやすいタイプの人と、「人を見たら泥棒と思え」ととりあえず疑ってかかる人では、意外にも「泥棒と思え」タイプのほうが詐欺にひっかかりやすいという研究結果もあります。

まわりの人間をみんな悪いやつだと疑ってかかる人は、特別に悪いことを考えている詐欺師が見抜けません。しかも、いったんこの人はいいところがあると感じて信用すると、ズルズルそのまま信じ切ってしまいます。

逆に、みんないい人だと思って接していれば、悪いことを企んでいる人に対して「この人はちょっと違う」と気づけるのです。

そもそもこの世の中、いい人と悪い人で考えれば悪い人のほうが圧倒的に少ないではありませんか。ほとんどの人は、普通に信頼できる人です。騙そうとして近づいてくる人など、全体から考えればごくごく一部です。ですから、騙されたくないのであれば「渡る世間に鬼はなし」という考え方でいることです。

振り込め詐欺にひっかからない心構え

いわゆる振り込め詐欺には3つの鉄則があります。まず、身内が人に迷惑をかけているなどと思わせ、相手を不安にさせてなんとかしなくてはと思わせるのがひとつめです。

2つめは、たとえば「会社のお金を使ってしまったけれど、午後3時までに返せば帳簿上は問題にならないのでそれまでに用意をしてほしい」と、明確に期限を設定することです。

そして最後に、「このことは人に知られるとまずいので、あなたと私だけの秘密にしましょう、誰にも言わないでください」と言って情報を遮断するのです。

不安にさせて、期限を切って、情報を遮断する。この3つのセットがあるから、普通の状態だったらおかしいと判断できる人でも誤った判断をし、まんまと騙されてしまうのです。

自分の子どもや身内が悪いことをしてしまったという話を聞けば、誰もが罪悪感を刺激されます。けれども、たとえば3時までにお金を用意しろと言われたとすると、おそらく1時間や2時間の余裕はあるでしょう。その間、落ち着いて考えることはできるはずです。けれども、時間を区切られることで一刻でも早く対処しなくてはと思ってしまいます。

こうやって、ひどく真面目に考えすぎてしまうことが、詐欺にひっかかる一因になっています。

もっとゆるく考える姿勢を身につけていれば、一瞬立ち止まって考えることができて、冷静になれるかもしれません。身内の恥だってさらして構わないじゃないかくらいの気持ちでいれば、振り込め詐欺にひっかかるリスクもぐっと減るに違いないと思います。

和田 秀樹:精神科医

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