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なぜ、私たちは「Yakult1000」が欲しくなるのか? 自分をいたわるためならいくら出してもいい

東洋経済オンライン / 2024年2月19日 11時40分

2021年4月から宅配の全国展開をスタートすると、公式サイトで「Yakult1000」の新規受付を一時中止せざるをえないほど注文が殺到します。同年10月からは、販売チャネルをスーパーやコンビニに広げ、容量と価格を店頭用に変えた「Y1000」(150円、税別)を販売。入手しやすくなったことでさらにファンが広がりました。

さらに2022年4月には、マツコ・デラックスさんがテレビ番組で「眠りがよくなった」「念のため2本飲んでいる」と発言したことから人気が爆発。スーパーやコンビニでは品薄・品切れが続き、入手困難な状況が社会現象にもなったのです。

「Yakult1000」が「睡眠の質の改善」を掲げて大ヒットしたのに対して、同じ乳酸菌飲料のジャンルで「免疫ケア」を訴求して大ヒットした商品があります。

それが2023年3月に発売されたキリンビバレッジの「おいしい免疫ケア」です。免疫ケアに役立つプラズマ乳酸菌に加えた機能性表示食品です。

プラズマ乳酸菌は、免疫の司令塔である「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」を直接活性化することが世界で初めて報告された乳酸菌で、継続して飲むことで健康な人が体の免疫機能を維持しやすくなるというのが特徴です。

乳酸菌で免疫ケアして自己防衛

2020年8月、免疫に関する機能性表示食品として、消費者庁に初めて受理されました。実は「おいしい免疫ケア」は、2022年3月から発売されていた「キリンiMUSE朝の免疫ケア」をリニューアルした商品です。

500mlが主流だった容量を100mlで飲みやすい量にし、パッケージデザインを赤からさわやかな青を基調としたものに変えました。ヨーグルトテイストのすっきりとした味わいと、プラズマ乳酸菌による免疫ケアの機能性を訴求する形で商品名をシンプルに変更したものです。

コロナ禍で「免疫」の重要性が見直されたことに加え、2023年5月に新型コロナウイルスが5類感染症となりマスクの着用が個人判断となったことで、「自分の健康は自分で守っていきたい」というニーズが高まりました。ヨーグルトテイストで飲みやすく毎日続けやすいという「おいしい免疫ケア」の商品特徴はそんな消費者の心をがっちりつかんだのです。

その結果、「おいしい免疫ケア」は大ヒット。「日経トレンディ2023年上半期ヒット飲料」として大賞を獲得しました。さらにキリンビバレッジは、プラズマ乳酸菌を他の自社商品や他社に提供することで新たな売り上げを狙っています。

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