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小さなレクサス「LBX」の価値はどこにあるか? ヤリス系プラットフォームで仕上げた新機軸

東洋経済オンライン / 2024年2月19日 12時0分

筆者が乗ったLBXは“Relax”という仕様で460万円~(筆者撮影)

レクサスが、全長4.2m弱のコンパクトモデル「LBX」を、2023年11月に発売。2024年1月に試乗することができた。

【写真】カッコいいけどどこか可愛いレクサスのコンパクトなニューモデル

なぜ、ラグジュアリーブランドのレクサスが、あえてこんなに小さなモデルを作ったのか。LBX誕生の背景は、レクサスの大型化にあった(ようだ)。

LSからのダウンサイジングも視野に

「レクサス車を乗り継いできた方の中から、扱いやすいサイズのクルマに乗りたい、という声がありました」と、開発を指揮したレクサスインターナショナルの遠藤邦彦チーフエンジニア(CE)は、そう説明してくれた。

遠藤CEによると、上記のようなユーザーは一定数いるようで、加えて、「ちょっと上質なスニーカーのように“いいかんじ”のカジュアルな気分で乗れる雰囲気があれば受け入れられるのでは」と考えたとのこと。新しいマーケティングだ。

では、どんなモデルだったらいいのか。ひとつは、質感。

たとえば、フラッグシップセダン「LS」からの乗り換えを考えて、LBXでは「内外装の質感向上を心がけました」とプロジェクトチーフデザイナーを担当した袴田浩昭氏が言う。

たしかに使用素材や造型感覚は、基本プラットフォームを共用するトヨタ「ヤリス」とまったく違う。ボディパネルは複雑なカーブを取り込んだ面づくりが特徴で、しかも凝っている。

ボディ側面には「平面に近い面」と「湾曲した面」とを組み合わせていて、「これによって速度感を演出している」と袴田氏は教えてくれた。

平面に移る景色を見ると動く速度が速く感じるが、凹面とか凸面に映った景色はなかなか消えず、多少動きがゆっくりと感じられる。その組み合わせによって、絶妙の躍動感を見ている人に与えるという。

おもしろいことに、遠藤CEは初代LSが日本で「セルシオ」として発表されたとき、さかんに喧伝された「源流主義」をもって、LBX開発にあたったと明かした。

「源流主義」を形にする作り込み

あのとき(1989年)、トヨタではセルシオのボンネット上にシャンパンクープ(グラス)でタワーを作り、エンジンを始動させても倒れない様子を映像で見せていた。

実際、私はグラスタワーの経験こそないが、初代セルシオの静粛さと軽快な運転感覚が両立した操縦性には、感嘆した。そのことは、2019年になって初代レクサスLS400を運転したときにも、再認識したのだった。

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