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部下を毎日褒め続けた上司が受けた残念な評価 部下を褒める「ちょうどよいバランス」とは?

東洋経済オンライン / 2024年2月21日 7時50分

ゆるくてもダメ、ブラックはもちろんダメな時代に必要とされるマネジメントとは(写真:EKAKI/PIXTA)

「優しく接していたら、成長できないと不安を持たれる」
「成長を願って厳しくしたら、パワハラと言われる」

ゆるくてもダメ、ブラックはもちろんダメな時代には、どのようなマネジメントが必要なのか。このたび、経営コンサルタントとして200社以上の経営者・マネジャーを支援した実績を持つ横山信弘氏が、部下を成長させつつ、良好な関係を保つ「ちょうどよいマネジメント」を解説した『若者に辞められると困るので、強く言えません:マネジャーの心の負担を減らす11のルール』を出版した。

本記事では、毎日部下を褒め続けたら、上司としての評価が著しく悪くなった上司の話を取り上げる。部下を「褒めて伸ばす」ことをめざしたマジメな上司は、いったい何を間違えたのか? そして、どのように褒めたらよかったのか? 書籍でも論じているマネジメントのルールに基づいて解説していきたい。

部下を褒めることを推奨するリーダー研修

「部下を、褒めていますか?」

あるリーダー研修に参加したマネジャーは、講師からこう尋ねられたという。

「一応、褒めているつもりです」

そう答えたが、講師は笑ってこう返した。

「もっと褒めましょう! 褒めて、褒めて、褒めまくるのです」

そこからはグループを作って「美点凝視」のワークがはじまった。他の企業から参加している部長や課長たちと4人で、相手の良いところを見つけて指摘し合う演習だ。

「笑顔が、爽やかですね」

「とても頭が、キレそうです」

「ネクタイが、お似合いだと思います」

はじめて会った相手の「美点」「良いところ」を見つける演習を続けることで、誰もが新しい発見を得られた。

「部下の悪いところばかりに目がいっていました」

「もっと長所を意識すべきだと、あらためて気付きました」

このリーダー研修で、ほとんどの受講者がこのような感想を持ったという。そして、その研修で感化されたマネジャーは、翌週から

「毎日、部下を褒めよう」

と決意したのだ。

このように研修に感化され、実際にこのマネジャーは毎日部下を褒め続けたのだ。タスク管理アプリを使いながら、計画的に褒めるようにした。しかし冒頭に記したとおり、大失敗に終わった。

このマネジャーのみならず、他にもこのような上司を何人も見てきた。褒めることを強く意識して部下に接し続けた上司たちだ。

その結果は、だいたい同じ。ことごとく「期待外れ」に終わった。「期待外れ」どころか部下との関係を悪化させた上司もいる。「毎日褒め」によって部下が離職したという最悪なケースまである。

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