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日本発Netflix「忍者」物語の海外ウケ仕掛け術 賀来賢人原案の完全オリジナル「忍びの家」

東洋経済オンライン / 2024年2月23日 12時20分

俵家の物語は、高良健吾演じる長男・岳(ガク)に起きた6年前の事故が1つの軸となって展開されていきます。これと絡み合うように未解決事件の真相が小気味よく明かされていくのです。サスペンス度合いが増していくなかで、俵家以外のキャラクターを演じる役者陣の魅力も引き出されています。

忍者管理局の秘密組織「BNM」を組織する田口トモロヲと柄本時生が演じる世代差コンビは程よく憎たらしく、また6年前の事件を追う雑誌「ムー」記者の伊藤可憐役の吉岡里帆は、主演の賀来が演じる恋愛御法度の忍者との道ならぬ恋も期待できる役回りです。

そして、山田孝之は新興宗教の教祖役として登場します。どこからどう見ても怪しい風貌の役柄になりきる山田に最後の最後まで目が離せません。意味深に語る台詞の裏に真相が隠されている重要人物でもあるのです。

わずかな出演時間ながらインパクトが大きい白石加代子が演じる謎の老年女性など、ひとりひとりの役者の使い方に無駄がないことにも驚かされます。ただ1人、「全裸監督」などヒットシリーズに出演するNetflix作品常連のピエール瀧の刑事役は今回、深みがないキャラクターに感じます。劇中で「じゃがいも顔」呼ばわりされるだけされて、滑稽さだけ残します。

とはいえ、全体的にキャラクター設定は見事なもの。原作がない完全オリジナル作品として、ゼロからしっかり作り込まれていることはテンポを上げて伏線を回収していく後半戦でより実感できるはず。

ちなみに主演の賀来が原案を練ったそうです。賀来は共同エグゼクティブ・プロデューサーとして製作陣にも名を連ねています。一見、役者の名前を借りただけのケースに思えますが、作品を見れば、それだけでないことは一目瞭然です。相撲界を描いた「サンクチュアリ-聖域-」に続いて、日本ならではの題材で独創性に溢れたオリジナル企画がまた一つNetflixに加わったという理解に変わります。

監督はロス在住のアメリカ人

そもそも忍者と言えば、世界中でヒットする漫画・アニメの「NARUTO-ナルト-」があり、今後オリンピックの障害物レースになる長寿番組の「SASUKE」(TBS)は海外では「NINJA WARRIOR(ニンジャ・ウォリアー)」として知られ、遡るとハリウッド俳優のショー・コスギが出演した映画『燃えよNINJA』は80年代にアメリカで忍者ブームを起こしています。忍者の可能性は確かなもの。世界的な反応を当然、期待したくなります。

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