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日本発Netflix「忍者」物語の海外ウケ仕掛け術 賀来賢人原案の完全オリジナル「忍びの家」

東洋経済オンライン / 2024年2月23日 12時20分

Netflixの発表(2月22日)によると、2月15日の配信開始から1週間、「今日のシリーズTOP10」にランクインした国の数が92か国に上ったことがわかりました。またNetflix週間グローバルTOP10 ランキング(2024年2月12日~18日集計)では世界2位(非英語TV部門)をマークし、幅広い地域で成績を残していることも注目に値します。国別の結果をみると、日本、アメリカをはじめ欧州主要各国、アフリカ、アジアと幅広い地域で週間TOP10 入りし、その数全71か国。しかも、日本で達成できなかった週間1位をジャマイカとナイジェリアで成し遂げています。

忍者の可能性をかけたであろう製作体制も抜かりがありません。賀来をはじめとする日本人で構成される製作チームの原案をもとに、Netflixがストーリー開発と共同脚本、監督を依頼した人物はアメリカで生まれ育ったロサンゼルス在住の監督兼脚本家。インディーズ系の映画でこれまで実績を作ってきたデイヴ・ボイル監督でした。日本人以外の視点を取り入れることを狙ったのは明らかです。

ボイル監督に直接その意図を尋ねると、「誰が見てもわかるような作品にしたかった。家族ドラマをベースにした忍者の物語を描くことで、世界に出やすくなるのではないかと、そんな思いもありました」と答えが返ってきました。

ご本人曰く、脚本づくりと撮影のために来日した際、日本での撮影も日本の長期滞在もその時が初めてだったそうです。新鮮な視点が加わったことを裏付ける話になります。なかでも、ボイル監督の独自のアイデアは劇中で使われる音楽に象徴されています。アメリカのテレビ、映画界でサウンドデザインを手掛けるジョナサン・スナイプスに劇伴音楽を頼み、場面によって敢えて印象を変えています。

そして、1話のラストで流れるのは60年代結成のイギリスバンド「ゾンビーズ」の曲「Nothing’s Changed」です。どうしてこの曲だったのかというと、「時代を感じさせないタイムレスなものにしたかったから」。ボイル監督はそう答え、「何百年も続く存在の忍者が現代に生きるストーリーだからこそ、時代を超えた雰囲気を作りたかった」と説明してくれました。

時代にもジャンルにも縛られない作りは単調さを排除する効果を生み出しています。ボイル監督の言葉を借りて世界観を表現すると、「あなたの隣に座っている人は、もしかしたら忍者かもしれない――」というもの。そんな想像まで楽しめてしまいます。

長谷川 朋子:コラムニスト

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