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「野球で生きていく」の意味が変わりつつある理由 ジャパンウィンターリーグの取り組み

東洋経済オンライン / 2024年2月25日 11時40分

JWLはトライアウトリーグであり、自分たちの実力をアピールする絶好のチャンスなのだが、日本人選手はおっとりしているというか、チームにすぐに溶け込むのはいいが、積極的にアピールすることがあまりない印象だ。

しかし外国人選手は自らを「売り込み」に来ている。だから機会を見つけて積極的にアピールする。

JWLは試合だけでなく、夜には多くのセミナーや講座が予定されている。そういうセミナーで、講師が質問を投げかけても、引っ込み思案の日本人選手はあまり反応を示さないのだが、外国人選手は積極的に手を挙げて、どんどん自分の意見を言っていた。それにつられて日本人選手も意見を言うようになった。

「奴ら(外国人選手)は実力は大したことなくても、自信満々なんだ。だからどんどん発言する。間違ってることでも、どんどん言う。そして多少無理目の挑戦でもクリアしたりするんだ。日本人は周りの人の顔を見て、おずおずと手を挙げる。外国人の積極性を見習ってほしいね」

指導者の一人が言った。

選手のポテンシャルを「データ化」

JWLは、単に試合の機会を与えるだけではなく、選手のポテンシャルを「データ化」して情報発信している。鷲崎代表は言う。

「他のトライアウトなどと差別化を意識したのは『デベロップメント』の部分です。投打の球速、回転数などを計測する『ラプソード』、打球速度を計測する『ブラスト』などを導入して選手のデータを測定してYouTubeの動画で配信しています。これらを駆使して、日本では初の『リモートスカウティング』を実現させました。

動画配信を通して、MLB、NPB、CPBL(台湾プロ野球)、KBO(韓国プロ野球)、独立リーグや社会人のスカウト、担当者がJWL選手のプレーをオンタイムで見ることができます。また試合のパフォーマンスをデータとしても発信することで、選手のポテンシャルをかなりの精度で知ることができます。こういうことをやっているのはJWLだけです。

また、選手は、指導者やアナリストからこうしたデータの見方などを学びます。トレーナーもいるので、身体の手入れの仕方や具体的な練習法も学ぶことができます。1カ月間で、選手は成長して帰ることができるんですね」

先ほども言ったように選手は試合機会を与えられるだけでなく「ステップアップ講座」と称してセミナーや講座が数多く組まれている。各界の一流の講師が選手たちに講演をするのだ。

大谷翔平なども通う、米シアトルのトレーニング施設「ドライブラインベースボール」バッティングトレーナーのダニエル・カタラン氏は
「強い打球を打てなかったり、左中間や右中間にいい打球が打てないのは、単純にバットスピードが足りないからだ。バットスピードは、成功と凄く相関関係が高い」とシンプルな打撃理論を紹介した。

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