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83歳証券会社会長が語る「バブルとの決定的違い」 岩井コスモ証券・沖津会長インタビュー

東洋経済オンライン / 2024年2月26日 7時10分

インタビュー中に日経平均が高値を更新。沖津会長はいても立ってもいられず、記者とともに顧客の売買注文を受けるコールセンターの様子を見に行った。後ろには詰めかけた報道陣が多数(記者撮影)

日経平均株価が史上最高値を更新した瞬間、小さなくす玉を割って歓声を上げる証券会社の従業員たち――。そんな映像をニュースなどで目にした人もいるのではないか。

その現場の1つとなったのが、中堅証券会社の岩井コスモ証券だ。高値を更新した2月22日午前。そのとき東洋経済は沖津嘉昭・会長CEO(83)に取材していた。

企業が進化してきている

──日経平均が1989年のバブル時につけた3万8915円を超えました。

【写真で見る】1988年当時の東証。証券マンの手サインで売買注文を伝達する「場立ち」が行われていたこともあり、高揚感があった

当時、営業の現場の第一線にいた人間としては感慨深いね。日本経済が潰れるようなことがない限り、更新する日はいずれ来ると思っていた。ただ、2009年に7054円の最安値をつけたころは、「3万8915円なんて生きているうちはもうないだろう」とも思った。

バブル崩壊後の兜町で、「あの華やかさは何年後にくるんですかね」と証券投資をしている人に話を振った記憶がある。「2度とないですよ、あんなのは」とやけっぱちで言われた。

──ここまで上昇した理由をどうみていますか。

企業業績が好調なうえに、企業が進化してきている。日立製作所の株価が今いくらかご存じ?

──1万2000円くらいですね。

普通の人は500円とか言うんですよ。恥をさらすようだけれど、しばらく前まで私も知らなかった。昨年の今頃だと7000円くらいかな。800円くらいかと思っていた。

日立は現在、再生可能エネルギーの市場拡大を背景に送配電システムを海外で提供し、大きな利益を上げている。個人の方だとエアコンや冷蔵庫をイメージする人も少なくないだろうが、事業が進化している。1株当たり利益(2024年3月期予想は570円)をみても、地に足のついた株価だといえる。

日経平均を押し上げたのは 半導体関連銘柄が中心。半導体は社会を発展させるだけでなく、日本経済を大変革させていく原動力になる。日経平均の上昇は、今後の日本経済の発展を予期させるようにもみえて心強い。

テレビなどは「高揚感がない、 何も変わっていない」とよく報じているが、株価の上昇が経済発展に結び付いて、社会を活気づけていくまでにはタイムラグがある。 時間の経過が必要だ。

半導体株の盛り上がりは実体がある

──バブルのときは、東京湾岸に土地を持つ企業が「ウォーターフロント銘柄」と持ち上げられ、今はAI(人工知能)向け半導体。テーマ先行の上昇になってはいませんか。

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