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83歳証券会社会長が語る「バブルとの決定的違い」 岩井コスモ証券・沖津会長インタビュー

東洋経済オンライン / 2024年2月26日 7時10分

ハドソン川が隅田川で、イーストリバーやマンハッタンが、石川島播磨重工業(現IHI)の造船所があった豊洲辺りなどと、アメリカ・ニューヨークのウォーターフロントの再開発に見立てていましたね。

バブル時は、土地の含み益を担保に銀行がどんどん融資していた。そのお金が土地の購入に回って地価が上昇、その土地を担保にまたお金を借りるというサイクルが生まれた。その過程で膨れ上がったお金の一部が株式市場に流れ込んだ。つまり、実体を伴っていなかった。

それに対して、半導体は実体を伴った話。今現在においても半導体は多く使われている。さらに遠い将来かもしれないが、いずれ完全自動運転の車が行き交うような社会が訪れる。そういう社会の基盤に組み込まれるのが半導体だ。

日経平均は、225ある組み入れ銘柄の中身によって株価が変わる。仮に半導体関連銘柄の組み入れ数が少なければ、こんなに早く日経平均が戻ってこなかったとの見方もできる。

一方で、日経平均が時代の趨勢を表す株価だとすると、時代が求めている銘柄で出来高が多い銘柄を組み込んでいくのは当然かなと。世情や経済を反映していると言える。

──今回の高値更新も海外マネー主導と言われています。日本の証券会社として寂しさのようなものを感じませんか。

グローバル化した今日、それが普通だと受け止めている。お金の世界には国境がない。嗅覚が鋭いので、儲かるものへワーッと集まり、だめだと判断したらサーッと出ていく。

企業においても、日本の大手が海外資本の傘下になっても構わないと思っている。日本人がそこで働けて、きちんとした経営をしてもらえて発展していけるなら、それでいいというのが私の考えだ。

あの時代に戻ってはいけない

──証券界を取り巻く風景も、この34年で変わったのではないでしょうか。作為的に相場を形成していく「仕手筋」も跋扈(ばっこ)していました。

今、高揚感を感じないのは、そういう人たちがいなくなったこともあるのかもしれない。

バブル当時は仕手の旗振り役や仕手に群がる人たちがいて、お金が乱舞していた。仕手筋を証券外務員に雇ったり、仕手株を勧めたりする証券会社まであった。この辺(兜町)には証券担保金融、いわゆる街金(まちきん)の看板がいっぱい上がっていた。

テレビ東京の『ワールドビジネスサテライト』が街金特集をやったときに取材のコーディネーターをしたことがありますよ。キャスターをやっていた頃の小池百合子・都知事が来た。

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