83歳証券会社会長が語る「バブルとの決定的違い」 岩井コスモ証券・沖津会長インタビュー
東洋経済オンライン / 2024年2月26日 7時10分
今は実体に基づいた、裏づけのある株価形成がなされている。郷愁はあるけれども、あのような時代に戻ってはいけない。仕手株はだまし合い。一部の人だけが儲けて、多くの人は高値づかみ。犠牲者がそうとういたはず。
──バブル崩壊を機に、「株への投資は危ない」という意識が日本では根付いてしまったように思います。そのような個人の投資に対する意識は変化するのでしょうか。
証券業界の集まりの場で、「貯蓄から投資へ」ではなく、現実は「投資から貯蓄へ」お金が流れていると自嘲したこともあった。だが、意識は変わってきていると思う。今回の株価上昇の原因の1つにもなっている。
背景にあるのは新NISA(少額投資非課税制度)の開始といった政策の後押し。また東証がPBR(株価純資産倍率)の改善要請を出したことで、企業が配当や自社株買いなど、投資家を意識した努力をし始めた。
日経平均4万円は通過点
──アメリカを中心とした先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する、「オルカン」のような全世界株式インデックス投信が新NISAでも人気のようです。
投資効率の良さを考えると、アメリカ株のほうがいいのは事実。グーグルやアマゾンなどGAFAMのような銘柄がアメリカではどんどん出てくる。どうしても向こうで新しいテクノロジーが生まれるので。
──日経平均の今後をどうみていますか。
今年中ですか?辰年はアノマリー(経験則)がある。1976年以降の過去4回の辰年を振り返ると、うち3回は年末の大納会が高値で終わった。今年もこういう状況だと、尻上がりに上昇するのでは。
4万円を超えて4万2000円から4万3000円までいけばうれしい。ただ4万円は通過点。遠い将来は10万円もあるんじゃないか。もちろんすぐにではないが、経済などの実体を反映した形で株価は上昇していくと思う。
緒方 欽一:東洋経済 記者
梅垣 勇人:東洋経済 記者
高橋 玲央:東洋経済 記者
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