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4月生まれは「能力が高い」と言われる本当の理由 生まれた月の差ではなく学習機会の差が原因だ

東洋経済オンライン / 2024年2月27日 17時0分

勉強もスポーツも「デキル子」は4〜6月生まれが多い!?(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)

「賢い子供を産みたいならば、4~6月に産むのがいい」という言葉を聞いたことはありますか? 同じ学年でも4月生まれと3月生まれでは、約1年の差が生じるために、差がつきやすい……という言説です。

しかし、コンサルタントの山口周さんは「人を育てるに当たって最初期のパフォーマンスの差異をあまり意識せず、もう少し長い眼で人の可能性と成長を考えてあげることが必要だ」と話しますーー。

※本稿は、山口周氏著『武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50』の一部を再編集したものです。

誕生月は子供の能力と関係しているのか

どのようにすればアタマの良い子、運動のよくできる子を産めるか、あるいは育てられるか、という問題は世の親御さんたちにとって大変大きな関心の対象であるらしく、そのために膨大な量の情報が世の中を流通しています。

よく聞かれるのは妊娠中にはたくさん鉄分を取った方がいいとか、青魚に含まれるDHAが脳の発育に効くとかといったことで皆さん、特に女性の方は大変な苦労をされているわけですが、しかし実は、多くの人が実践して「いない」にもかかわらず、確実に子供の成績や運動能力が高まる産み方がある、と言えば驚かれるでしょうか。それは、子供を4月に産む、ということです。

これはよく知られていることですが、日本のプロ野球選手やJリーグの選手の誕生月は、統計的なバラツキとして説明できないほど、4月や5月などの「年度の前半に近い月」の生まれが多いことがわかっています。

具体的には、例えばプロ野球選手の場合、12球団への登録選手809人(外国人選手を除く)のうち、4月〜6月生まれの選手は248人で全体の約31%となっている一方、1月〜3月生まれは131人で16%しかいません。

これはJリーグでも同様で、J1の18クラブ登録選手全454人の誕生月を見ると4月〜6月生まれは149人で全体の約33%であるのに対して、1月〜3月生まれは71人で16%と約半分しかいません※1。

※1: プロ野球のデータは『プロ野球名鑑2011年版』、Jリーグのデータは『オフィシャルブック2011年』による。少し古いデータだが各年での傾向に大きな変化はない。

人口統計的には、誕生月による人口の差はほとんどないことがわかっていて、月別の出現率は8.3%、四半期では25%となっています。したがって、プロ野球/Jリーグともに4月〜6月生まれの登録選手が31〜33%になっているという事実は、確実に「何かが起きている」ことを示唆しているわけです。

4月と3月生まれ、学習能力の差は大きいのか

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