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インテル「TSMC追撃」150兆円目指す半導体市場 ゲルシンガーCEOが高らかに宣言した「新戦略」

東洋経済オンライン / 2024年2月27日 11時20分

Intelの答えは「それで問題ない」だ。昨年9月にIntel DCAI事業部長(当時) サンドラ・リビエラ氏は「Intelとしては、Intel製品と競合する製品であって、市場でIntel製品がそれらの製品に負けようがIntelファウンダリを利用してもらえるなら問題ない」と、製品事業を率いるトップ自身が明快に答えている。

今回のイベントでも、Intelの幹部は盛んにCoreやXeonを販売する製品部門とファウンダリ部門の間にはファイアウォールを設けて、社内であろうとファウンダリ事業顧客の情報がやりとりされることはない、利益相反は絶対に起こさないと強調している。また、そのArmのライセンスを顧客に提供しているArm社のレネ・ハスCEOをゲストに招き、顧客がArmのライセンスを利用してIntelファウンダリで製品を製造することを両社が協力して助けていくというパートナー関係を強化することを明らかにしている。

このように、Intelはたとえ自社ブランドの製品にとって不利であろうと、ファウンダリ事業を強化していく姿勢を見せており、当初は懐疑的だったIntelの競合企業もIntelファウンダリの活用に向けた考え方を変えつつある。実際、AI製品でIntelと競合しているNVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、昨年の6月にIntelのファウンダリを検討していることを明らかにしている。

マイクロソフトもIntelファウンダリの利用を表明

今回のIntel Foundry Direct Connect 2024で、Intelのパット・ゲルシンガーCEOは2030年までにファウンダリ事業で、TSMCに次いで業界2位になることを目指すという目標を明らかにした。現在のところファウンダリ市場は1位がTSMCで、2位がSamsungだとされている。つまり、2030年までにSamsungを追い抜き、トップのTSMCに迫る、それがIntelのターゲットだ。もちろんその先にはTSMCに追い付き追い越すことが目標となるのは言うまでもないだろう。

今回Intelは2030年の半導体市場のTAM(Total Addressable Market、潜在的市場規模)を1兆ドル(日本円で約150兆円)と見積もっていることを明らかにしている。そうした市場規模の拡大に合わせてファウンダリの事業も成長していき、まずはSamsungを2020年代中に追い越し、2030年代以降にTSMCに迫るというのがIntelの描いているストーリーだと言える。

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