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時代に逆行? いま「道路の有料化」が進むワケ 「償還→無料開放」がセオリーだったはずが…

東洋経済オンライン / 2024年2月27日 12時20分

通行料無料の道路の有料化や、割引の見直しによる「実質的な値上げ」が相次いでいる(写真:ezozenteika / PIXTA)

この2月、九州の「無料で通行できる道路」の有料化が、相次いで発表された。これまで有料道路は、建設にかかった費用を通行料で賄い、償還が終わったら無料開放されることが基本であった。

【写真】通行量無料の道路が有料になっていく流れがある

たとえば、房総半島を横断する「鴨川有料道路(千葉県君津市~鴨川市)」は、1967年に有料道路として供用が開始されたが、2019年4月に無料開放された。筆者は2020年から2年間、この道路を使って東京から鴨川までマイカーで通勤していたので、この無料開放は本当に助かった。

一方で、高速道路は「いずれ」は無料開放されることになっているものの、2023年6月に償還期間の延長が決まり、最長で2115年まで料金を徴収することが発表されて、多くの関係者を落胆させた。

2115年と言えば、今年生まれた赤ちゃんが91歳になる年である。今生きている人がほとんどいなくなるまで延長されたことが、ネットで話題になった。

160円→370円と2倍以上に…

今回、有料化が発表されたのは、西九州自動車道の「佐世保道路」と呼ばれる区間の佐々IC~佐世保中央インターチェンジ(IC)間と、福岡県篠栗町と筑豊の飯塚市を結ぶ「八木山バイパス」の2路線である。

佐世保道路は、上下4車線化の工事が進んでおり、それが2024年度に順次完成するのに合わせて、道路の管理を国土交通省からNEXCO西日本に移管。それにともなって、接続する西九州道の武雄佐世保道路と一体で、高速道路の料金体系に組み込まれる。

ただし、佐々IC~佐世保中央IC間の通行に限っては、無料が継続される。

したがって、佐々IC→佐世保中央ICは、現状も有料化以降も「無料」であるのに対し、佐々IC→佐世保大塔ICは、現在も有料である佐世保中央IC~佐世保大塔ICの160円(普通車ETC利用)が、370円と2倍以上に「値上げ」となるのだ。

この有料化は、「4車線化の建設費用の捻出のため」であると説明されている。

無料区間として建設された高速道路が有料化されるのは、実はわが国では初めてのことであり、九州の西端の短い区間であるとはいえ、これまでの「有料→いずれ無料」という流れとはまったく逆行する。この施策をどのように捉えていいのかは、なかなか判断が難しい。

これによって一般道の混雑状況がどう変化するのかも今の時点では読みにくい。先ほど説明したように、佐々IC~佐世保中央ICのみの利用であれば、無料が継続される。これは、佐世保中央で降りて乗り直せば、これまでと同じ料金で通行することもできる、とも考えられる。

「国道のバイパス」でも有料化が決定

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