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時代に逆行? いま「道路の有料化」が進むワケ 「償還→無料開放」がセオリーだったはずが…

東洋経済オンライン / 2024年2月27日 12時20分

もう1つ八木山バイパスは、「高速道路」ではなくあくまで「国道のバイパス」で、自転車や50cc以下の原付の通行は禁止されているが、あくまで一般道路である。

国道201号線の八木山峠のバイパスとして、1985年に総延長13.3kmで開通した八木山バイパスは、片側1車線のため交通量の増加にともなって慢性的な渋滞に悩まされてきた。

福岡県をクルマで走行中にラジオの交通情報を聴いていると、渋滞発生箇所として常に名前が出てくる道路である。

この八木山バイパス、実は2014年に償還が終わり無料になっていたが、佐世保道路と同じく4車線化の工事が進められており、2024年度中に一部の4車線化が完了することから、再び有料化が決定した。

道路の管理も、供用当初の有料時代は日本道路公団(とそれを受け継いだNEXCO西日本)で、無料開放時に国土交通省に移ったが、今回の有料化にともない再びNEXCO西日本に移管される。

こちらは「4車線の道路維持のための有料化」と説明されているが、有料で開通した道路が無料になり、再び有料化となるケースもわが国では初めてだと思われる。

ちなみに通行料は、一律280円(普通車)となっている。毎日、通勤で利用している人にとってみれば、割引がない場合、1カ月(20往復)で1万1200円の負担増だ。

八木山バイパスは無料がゆえに交通量も多かったのだが、再び有料化されることで、無料の旧道にどの程度のクルマが移行するのか、それによって渋滞などはどう変化するのか、これも始まってみないと予測がつきにくい。

道路の有料化とは意味合いが違うが、高速道路では近年「実質的な値上げ」になるケースが増えている。たとえば、高速道路の休日割引。

最近は「渋滞を助長する」として年末年始やお盆の時期などは割引が行われないようになってきたが、2024年はいわゆるシルバーウイークも割引を適用しないことが発表された。

コロナ禍が収まり観光需要の増加などもあって、休日の渋滞はコロナ禍以前よりもひどいところも多く、需要のコントロールのための休日割引が逆効果ともいえる状況になっているため、今後は休日割引そのものが見直される可能性もある。

神奈川県と千葉県をトンネルと橋で結ぶ東京湾アクアラインは、千葉側から神奈川方面へ向かう方向に限り、休日の午後(13~20時)に割増料金(普通車800円→1200円)を設定する代わりに、20~24時の通行料を引き下げた(普通車640円)。

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