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新日本プロレスの「闘う広告塔」棚橋新社長の胸中 猪木、坂口、藤波に続く「レスラー兼社長」が語ること

東洋経済オンライン / 2024年2月28日 11時54分

(チャンピオンを決める)タイトルマッチが組まれると、見に来られたお客さんは嬉しいと思いますし、お得感もあるんじゃないですか。リング上の選手のアピールや自己主張などその場の流れを汲んで、魅力的な対戦カードを提供したいという願いはあります。

地方大会にこだわる理由

――なぜ、地方大会にこだわるのですか?

僕は2006年に初めてIWGP王者になりました。それ以降、シリーズの地方大会が行われるときは先に現地入りして、ラジオ、テレビ、雑誌、新聞などの取材を積極的に受けるようにしてきました。新日本、またプロレスを広く知ってもらうためです。そうした地道なプロモーションで“下地”ができた後に、新日本ではオカダ・カズチカというスターが生まれました。そこで一気に団体が上昇気流に乗れた、という体験をしているんです。

業界を変えるようなスター選手がいつ誕生するかはなかなか読めないものですが、実際にスターが出現したときに活躍できる土壌は作っておきたいし、実際作っておけるんですよ。

――地方強化は土壌作りであり、ご自身の体験によるものだったんですね。

今、地方で活動することが、5年後、10年後のためのプロモーションであるならば、今これだけ主力選手がいるわけなので、先にしっかりつながると思うんです。

僕はかつて、一人で日本全国を新日本のプロモーションで回っていましたが、新世代の海野翔太、辻陽太、上村優也、成田蓮や、ジュニアヘビー級の選手が、オフに10人ぐらい一気にプロモーションで稼働したら、プロレスラーの知名度も上がりますし、新日本プロレスから世の中に発信する情報も増えます。だからこの手法を用いれば、僕のときよりも、10倍のスピードでプロレスというジャンルが大きくなる。そんなイメージを持っています。

――棚橋さんは長年、「プロレス全力プロモーション」と呼ぶPR活動をされてきたわけですが、その中で意識されていたことはありますか?

地方に行くと、プロレスを1回も見たことがない人や、知らない人も多いんですよ。熱心に応援してくれる方々には「ありがとう」という気持ちを持ちつつ、知らない方々にいかに興味を持ってもらうか、そのためには「見に行きたい」と思うきっかけを作ることが大切です。

僕の場合は、ちびっこ向けに仮面ライダーの話をしたり、ラジオとかテレビに出たら好きな音楽の話をしたり。ダイエットに興味がある女性向けには「こんな食事やトレーニングしたら体脂肪が燃えやすいですよ」と話したり。つまり、プロレスの話題はほぼ一切しなかったんです。プロレスに興味を持ってもらうんではなくて、まずは僕に興味を持ってもらうんです。

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