52万円「Vision Pro」エンタメ目的なら価値あり ハワイで買う日本人続出、使ってみた感想は…
東洋経済オンライン / 2024年2月28日 7時40分
2月2日、アメリカでXRヘッドセットのVision Proが発売された。世界一のテクノロジー企業であるアップルが初めて作ったゴーグル型のデバイスということで世界中から注目されたものの初期生産数は10万台に満たず、アメリカ国外での販売は今年2024年中だといわれている。
【写真】100万円を超える100インチテレビを持ち歩ける醍醐味
日本では入手できないため、渡米して購入または個人輸入をして初期ロットのVision Proを手に入れた日本のエンジニアやマーケター、ジャーナリストもSNSで散見される。iPhoneやMacBookのような慣れ親しんだデバイスではなく、久々のアップルの初物として高い期待を抱いているようだ。そうやって日本にやってきたVision Proを筆者も体験させてもらった。
エンターテインメント目的なら使う価値がある
ファーストインプレッションとしては、3500ドル(約52万円)という高価なVision Proではあるものの、既存のオールイン型XRヘッドセットと比較すると明らかに高い性能だ。100万円を超える100インチテレビを持ち歩ける醍醐味というべきか。リビングに限らず書斎やベランダなど好きな場所で、映画館最前列から最後部座席まで自分好みのスイートスポットで映画やドラマ、アニメを思う存分楽しめる快楽がここにはある。
メガネサイズのARグラスでも、”100インチを持ち歩ける"といったキャッチコピーが使われることが多い。しかしその100インチが置かれた場所は数メートル先の印象。実際に体験すると宣伝文の数字ほど大きく感じることはない。しかしVision Proは現実であってもバーチャルであっても空間内のどこにでも自由な大きさのディスプレーを設置できる。
スピーカーの音質にも驚いた。耳の中に入れるイヤホンや耳を覆うヘッドホンではなく、耳の周りが開放状態にあっても低音から高音まで過不足なく聴こえてくる。音質の傾向はAirPods Proと近く、アップル製品を使い続けている人ならば馴染み深いものだ。
金銭的に余裕がある人が選ぶエンターテインメントデバイスとしては価値がある。では、仕事で使うとしたらどうだろうか。Vision Proは働き方を改善してくれるデバイスとなるだろうか。
移動が多いホワイトワーカーなら活用できる
大画面を持ち歩けるという資質を持ったVision Proで期待されているのが、モバイルオフィスだ。Vision Proにはもともと航空機内で使えるトラベルモードが備わっており、移動中の狭いスペースでも大画面ないしは複数の画面を表示させることで、オフィスにいるときのような高い生産性を保ちながら業務を推進できる。
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