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義理兄が光源氏に「女遊びを教える」驚愕の行為 現代人には「つっこみどころ」もある源氏物語

東洋経済オンライン / 2024年2月28日 16時0分

「いや、わざわざ起こしてまで語るようなことか!?」と思いますが、頭中将はそれを聞いて「なるほど! 勉強になるぜ!」といった雰囲気で超真面目に聞いています。

作者までもがツッコミを入れる

真面目に話すのはいいのですが、内容は「女ってやつはこうだよな!」という、どうでもいい話でしかありません。

この様子を作者は「なんかもう、お坊さんが世の中の理を説いているような感じだけど、全然そんなことないからね?おかしいことになってるよ?」と地の文でツッコミを入れています。

そしてなんと、「いい機会だ」と各自が今までの恋愛遍歴を語り出します。「自分はこんな恋をしてきた」「こういう女性との恋愛がうまくいった、うまくいかなかった」という話を1人ひとりしていくのです。

内容的には真面目な感じなのですが、よくよく考えると半分は自慢みたいなもので、半分は反省、というようなテンションで話は進みます。

原文:中将、「なにがしは、痴者の物語をせむ」とて、
訳:頭中将は、「私は馬鹿な体験談でも話しましょうかね」と言って、

こんなふうに、話す内容といえば、基本的にうまくいった話ではなくて、「これは失敗談なんだけどさー」というテンションです。

それでも、その中身をよく聞いていると、「こんな女と付き合ったんだよね〜」という、反省風の自慢をしまくっています。

その中身というのも基本的に、「嫉妬深い女の子と付き合っちゃって困った」みたいな話をするのですが、よくよく聞くと、「二股かけてたら1人の女の子からめっちゃ嫉妬されちゃってさー」みたいな話をします。

基本、一途に1人の女の人を愛していればこんな問題は起こらなかったよな、と思うようなことばかりを口にして、「こんな女性がいいよね」というようなことを1人ひとりが話しまくります。

この「雨夜の品定め」は、こんなシーンが大真面目にずっと続き、最後はこう終わります。

原文:いづ方により果つともなく、果て果てはあやしきことどもになりて、明かしたまひつ。

訳:どういう結論に達するというでもなく、最後は聞き苦しい話に落ちついて、夜をお明かしになった。

いや、あれだけ話しておいて、結局最後は猥談に落ち着くんかい!?とツッコミを入れたくなってしまいますね。

どうしようもない部分をコミカルに描く

女性である紫式部はどんな気持ちでこのシーンを書いているのか、わかりません。

ですがきっと、ちょっと男性たちの「どうしようもないような部分」を、コミカルに描きたかったのではないかと考えられます。

実際、「年上の男性が年下の男性に女性論を熱く語る」「反省風の自慢をする」「よく聞くと男性が悪いけど、それに気付かずに女性のせいにする」というのは、現代にも当てはまることだと思います。

源氏物語にはこのように、ちょっとコミカルに語られているシーンもあります。「硬くて難しそう」と考えず、ぜひコミカルな源氏物語も楽しんでもらえればと思います。

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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