生成AIを使わないビジネスパーソンに未来はない ならば、何をどこまで知っておけばいいのか
東洋経済オンライン / 2024年3月1日 6時50分
すると、
結果を出せる→結果を出せる人とつながる可能性が増す→ますます結果を出せる→…
という好循環が回り始めます。同時に、
結果を出せる→機会が与えられる→ますます結果を出せる→…
という好循環も回ります。結果を出せない人は、その逆の悪循環に陥ります。
結果として、管理職レベルでも部下レベルでも、結果を出せる人と出せない人の差はますます広がっていくのです。
サバイブするために必要なこと
では、この状況でサバイブするためには何が必要なのでしょうか。もちろん先述したような、生成AIの使い方を磨く必要があります。ただ、それができるのは、結局はベースとしての知識レベルや思考力の高さがある人間です。もちろんこれらは努力して高めることもできますが、中には難しい人もいるでしょう。
実力があり向上心のある人は、今まで以上に速いスピードで駆け上がっていくことができますが、そうでない人は比較的付加価値の低い仕事に甘んじるしかない可能性が増します。
もちろん、生成AIやその他のテクノロジー活用に苦戦している人材の場合でも、独自のバリューを出す方法はあります。AIやロボットが苦手としている、人間ならではの身体性や感情労働の力を活かすという方向性です。たとえば難しい接客が必要な業界であれば、そこで機械には出せない価値を出したり、転職をして医療や介護といった道に進む方向性もあります。若手であっても、今まで以上にキャリアについて早くかつ真剣に考えるべき時代が来ていると言えるでしょう。
企業側も人材活用の方向性を大きく変える必要があります。大企業をはじめ、これまでは、20代は雑巾がけの時代という企業も多かったでしょう。しかしそうしたやり方をしていては、優秀な人間は去ってしまいます。優秀な人間を引き留めつつ、バリューを出せない人間(こちらがおそらく多数でしょう)の処遇をどうするかという難しいパズルを解かないといけない時代がやってきているのです。
嶋田 毅:グロービス経営大学院教授、グロービス出版局長
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