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佐々木麟太郎の「5000万円奨学金」に見る日米差 「日本と違って凄い!」…とは単純には言えない

東洋経済オンライン / 2024年3月1日 7時20分

こうしたジャズミュージシャンたちや今回の佐々木内野手のように、その後の将来が約束されている人物に対して、アメリカの名門大学はスカラシップ制度で、才能のある者たちを国内外から呼び寄せてきた歴史があるのだ。

海外は日本の大学よりも学生へのサポートが手厚い

また、筆者が取材してきた人たちの証言を振り返っても、海外の大学や大学院は日本の大学よりも学生へのサポートが手厚いようにも思える。

例えば、「奨学金440万円」44歳彼が語る親世代への違和感」に登場してくれた、シンガポールの研究所での勤務歴のある船田亘さん(仮名・44歳)によると、海外では大学院生という存在は立派な「職業」として認められているという。

「日本でも、新卒の社会人は研修が多かったり、見習い的な扱いを受ける反面、給与はしっかり支給されますよね。それは、戦力になるまでの準備期間だと捉えられているからでしょう。海外では大学院生への見方もまさにそんな感じで、『専門家・研究者になるための見習い期間』と見なされている。だからこそ、給付型奨学金が支給されたり、学費や生活費を支援してもらえたりする。

こういう扱いを目にすると『海外の大学に進めばよかったな』と思うこともあります。日本では、研究者たちの研究活動が世の中にいかに貢献しているかという考え方が、他の国に比べて根付いていないですからです」

また、「奨学金400万円」30歳彼女が見た母の預金通帳」に登場した、韓国の大学を卒業した佐藤佳乃さん(仮名・30歳)によると、海外の大学は日本と比べても「学費が安い」ため、外国人留学生向けの給付型奨学金も充実しているそうだ。

「韓国の大学に入学が決まった段階で、高校と語学学校の成績や、入試の結果をもとに国からの外国人留学生向けの給付型奨学金を支給してもらえました。さらに、大学が提供している授業料免除もあって、最初の学期(韓国もセメスター制なので半年間)は17万円ぐらいしかかかりませんでした。本来であれば学費も年間70万円はかかりますが、それでも安いですよね。

最近では韓国の大学も授業料が上がっているようですが、少なくとも私がいた頃は授業料が年間100万円を超えるような学校はなかったと思います」

さらに、「学費が高い」ことで知られるアメリカにも、さまざまなスカラシップが存在する。「奨学金870万円」35歳女性の綱渡りな海外進学」で話を聞かせてくれた、川嶋由紀さん(仮名・35歳)はフルスカラシップではないが、アメリカの大学に留学中、次のような奨学金を支給されていた。

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