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密かに加速「旧ジャニーズ起用再開」の正しい見方 目黒蓮さん起用のFENDI、キャスティング再開のフジテレビ…

東洋経済オンライン / 2024年3月1日 16時0分

福田淳社長は、現時点ではあまり外部に向けた情報発信、意思表明をしていない。福田社長に対しては、旧ジャニーズ事務所から大きく変化することを懸念する一部のファンからの風当たりもある。今、メディアの前に出ると、本来はSMILE-UP.社側の担当・管轄である被害者との向き合いについて批判を受け、両社の役割分担が曖昧化してしまう可能性もある。現状では、あえて表に出ず、地盤固めをしているというところではないだろうか。

そうした点も含め、新会社をスムーズに立ち上げるうえで、適切なプロセスが取られているように見える。STARTO社を率いる取締役には、井ノ原快彦さんが名を連ねているが、ほかは旧ジャニーズ事務所外から起用されており、旧ジャニーズ色は薄くなっている。

いまSMILE-UP.所属タレントを起用しても大丈夫?

STARTO社が本格的に稼働すれば、NHKについてはやや不透明なものの、ほかのメディアやスポンサー企業が契約タレントを番組や広告に起用するうえでの障壁はさらに低くなるだろう。

ただ、4月からSTARTO社が本格稼働して以降は、旧ジャニーズのタレントたちはそちらと契約するとはいえ、現在のところは依然としてタレントがSMILE-UP.社に所属し続けている。その現状についてはどう考えればいいのだろうか。

結論から言えば、筆者は「取引先各社の判断で対応を決めればよい」と考えている。以前の記事でも書いた(日本企業「ジャニーズからの撤退」に感じる違和感)が、タレントを起用するかしないかが問題なのではなく、取引先に対して責任を果たすのか否かが問題である。

起用するのであれば、SMILE-UP.社が被害者と向き合い、補償と救済を誠実に行っているのか、STARTO社が旧ジャニーズ事務所の悪弊と決別して新しい会社として立ち上がっているかを注視して、それができていないのであれば改善を求めればよい。

起用しないのであれば、起用するための条件を明確にして、必要に応じてそれを提示すればよい。

NHKは公共放送であり、民放ほど視聴率に囚われる必要もない。NHK局内で故ジャニー喜多川氏による性加害が行われていたという証言もある。他の民放と比べてタレント起用に慎重になるのも無理はない。

一般企業も同様だ。大手企業、公益性の高い企業、リスクを恐れる企業は慎重に判断すればよいし、経済合理性から判断して起用を決める企業があってもいい。

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